サイレコについては
こちらから!

お問い合わせ

お問い合わせ

人事課題に
役立つ資料

人事課題に役立つ資料

ダウンロード

後継者候補の選定基準|5つの評価軸と基準表の作り方、判定の進め方

後継者候補の選定基準|5つの評価軸と基準表の作り方、判定の進め方

後継者候補の選定基準は、対象ポジションが数年後に担う役割から逆算して作ります。基準は「就任要件」「行動特性」「将来性」「意欲・意向」「価値観・倫理観」の5つの軸に分け、必須か加点かを区別したうえで、複数の情報と評価者で判定するのが基本です。現在の業績や現職者との相性だけで選ぶと、就任後に求められる役割とのずれが生じやすくなります。

本記事では、5つの評価軸の考え方、選定基準表の作り方と記入例、候補者を判定する進め方、よくある失敗を解説します。

後継者候補の選定基準は、対象ポジションの将来の役割から逆算して作る

後継者候補の選定基準とは、「そのポジションを任せられる人か」を判断するための物差しです。人材要件(後任に求める経験・能力・行動など)を、評価者が同じ尺度で判定できる形に落とし込んだものと考えると整理しやすくなります。

基準づくりの出発点は、現職者の人物像ではなく、対象ポジションが数年後に果たすべき役割です。経済産業省の「指名委員会・報酬委員会及び後継者計画の活用に関する指針」でも、社長・CEOの後継者計画について、経営環境、企業文化、経営理念、成長ステージ、中長期的な経営戦略、経営課題、社長・CEOの役割・権限などを踏まえて「あるべき社長・CEO像」を議論し、客観的な評価基準を定めて文書に残すことが示されています。

選定基準は、後継者計画のうち「人材要件の定義」と「候補者の選定」を具体化するものです。計画全体の流れは、後継者計画の作り方5ステップと計画シートで解説しています。

業績・年次・現職者との相性だけで選ぶと起きること

選定基準がないまま候補者を選ぶと、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 現在の職務での業績が高い人が、上位の役割でも成果を出せるとは限らず、就任後にミスマッチが生じる
  • 現職者が自分と似たタイプを選び、今後の経営課題に必要な経験や能力が不足する
  • 選定理由を説明できず、経営層や取締役会、候補に選ばれなかった社員の納得を得にくい

前述の指針も、後継者指名が社内の論理や主観的・恣意的な判断に偏らないよう、評価基準を共有したうえで客観性を確保することを求めています。基準を先に決めておくことは、候補者を公正に比較するための前提です。

後継者候補を選ぶ5つの評価軸

本記事では、後継者候補の選定基準を次の5つの評価軸で整理します。経済産業省の指針が示す「あるべき社長・CEO像と評価基準」の考え方を参考に、経営トップ以外の重要ポジションにも使えるようまとめたものです。

評価軸確認すること主な情報源判定の注意点
①就任要件就任時点で欠かせない経験・知識・資格職務経歴、異動履歴、資格情報「必須」と「就任後に補える」を分ける
②行動特性役割で成果につながる行動を取れるか人事評価の記録、360度評価、面談抽象語ではなく行動の事実で判定する
③将来性より大きな役割へ成長できるか評価の推移、新しい役割での適応状況、アセスメント現在の成果と分けて評価する
④意欲・意向その役割を担う意思があるかキャリア面談、自己申告意向だけで将来性を否定しない
⑤価値観・倫理観経営理念を体現し、信頼を得られるか360度評価、面談、行動事実印象ではなく具体的な言動で確認する

①就任要件:就任時点で欠かせない経験・知識・資格

就任要件は、その役割を担うために最低限必要な条件です。たとえば、担当した事業の範囲、マネジメントした組織の規模、損益責任の経験、業務に必要な資格などが当たります。

すべての要件を就任時点で満たしている人は多くありません。「就任時点で必須のもの」と「就任後に補えるもの」を分けておくと、候補者を不必要に絞り込まずに済み、不足する要件を育成計画につなげやすくなります。

②行動特性:役割で成果につながる行動

行動特性は、その役割で成果を上げるために必要な行動のことです。「リーダーシップ」「決断力」といった言葉だけでは、評価者によって判断が分かれます。

「意見が対立する複数部門の責任者と調整し、期限内に方針を決定した」のように、どのような状況で、どのような行動を取り、どのような結果につながったかを確認できる形で定義しましょう。抽象的な能力を確認できる行動に置き換える手順は、行動基準を設計するコンピテンシーモデルの作り方を参考にしてください。

③将来性:より大きな役割へ成長できるか

将来性は、現在の職務での成果とは別に、より大きな役割や未経験の課題に対応できる可能性を見る評価軸です。経験から学ぶ姿勢、新しい環境での適応、周囲を巻き込む力などを確認します。

経済産業省の指針でも、後継者候補の評価では業務上の過去の実績だけでなく、経営トップとしてのポテンシャルを含めて評価する工夫が挙げられています。将来性を見極める具体的な視点は、将来性を判断する5つの視点と選抜手順で詳しく解説しています。

④意欲・キャリア意向:その役割を担う意思があるか

能力が十分でも、本人がその役割を望んでいなければ、育成や就任の計画は進みにくくなります。キャリア面談や自己申告を通じて、担いたい役割や今後のキャリアの考え方を確認しましょう。

ただし、現時点で管理職や経営層への志向を示していないことだけを理由に、将来性がないと判断するのは避けます。役割の内容を具体的に伝えると意向が変わる場合もあるため、意向は定期的に確認し直します。

⑤価値観・倫理観:経営理念を体現し、信頼を得られるか

上位の役割ほど、判断が組織全体や社外の関係者に与える影響は大きくなります。経営理念への共感、誠実さ、困難な場面での判断の一貫性などは、後継者候補を選ぶうえで欠かせない評価軸です。

数値で測りにくい評価軸だからこそ、「人柄が良い」といった印象で判断しないことが重要です。不利な情報を自ら報告した、短期的な利益より理念に沿った判断をしたなど、具体的な言動で確認します。

ポジションによって重視する基準は変わる

5つの評価軸は共通でも、どの軸を重視するか、どの要件を必須にするかはポジションによって異なります。

対象ポジション特に重視する評価軸必須になりやすい要件の例主な判定者
経営トップ(社長・CEO)価値観・倫理観、将来性、行動特性複数事業や全社的な経営課題に関わった経験取締役会・指名委員会
事業部長・部門長就任要件、行動特性担当事業の理解、組織マネジメントの経験経営層・人事部門
専門職・資格が必要なポジション就任要件業務に必要な資格・専門知識部門責任者・人事部門

経営トップ(社長・CEO)の後継者候補

経営トップの選定基準は、今後の経営戦略や経営課題と強く結びつきます。前述の指針が示すように、経営環境や経営理念、成長ステージ、中長期的な経営戦略などを踏まえて「あるべき姿」を定め、それを評価基準に落とし込みます。指針で紹介されている企業の取組例にも、経営能力、リーダーシップ、変化への柔軟性、心のタフさなどを社長に求める資質として定め、指名委員会で必要に応じて更新している例があります。

上場企業の場合は、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)も確認が必要です。2026年7月21日に公表された改訂版では、従来の補充原則が「原則」と「解釈指針」に再整理されました。CEOの後継者計画(サクセッションプラン)については原則4-3に記載があり、取締役会が経営理念や具体的な経営戦略を踏まえて策定・運用に主体的に関与し、後継者候補の育成と資質を備えたCEOの選任が計画的に行われるよう監督すべきとされています。

なお、CGコードは法的拘束力のある規範ではなく、原則を実施するか、実施しない理由を説明する「コンプライ・オア・エクスプレイン」の手法をとっています。報告書での対応など上場企業が確認したい事項は、2026年改訂コーポレートガバナンス・コードの要点で整理しています。

事業部長・部門長など重要ポジションの後継者候補

事業部長や部門長では、担当事業への理解や組織マネジメントの経験など、就任要件と行動特性の比重が高くなります。主要な顧客や取引先との関係、部門間の調整経験なども、空席時の影響を左右する要件です。

一方で、数年後に事業の方向性が変わる予定がある場合は、現在の事業運営の経験だけでなく、新しい取り組みを進める行動特性や将来性も基準に含めます。

専門職・資格が必要なポジションの後継者候補

品質保証、法務、研究開発の責任者など、資格や専門知識が欠かせないポジションでは、就任要件の比重が最も高くなります。法令や業務上必要な資格がある場合は、必須基準として明確に定めましょう。

そのうえで、専門職の責任者には部下の育成や他部門との調整も求められることが多いため、行動特性の基準もあわせて設定します。

選定基準表の作り方5ステップ

選定基準は、ポジションごとに1枚の「選定基準表」にまとめると、評価者の間で共有しやすくなります。次の5ステップで作成します。

  1. 対象ポジションの役割と今後の経営課題を書き出す
  2. 評価軸ごとに基準項目を経験・行動で記述する
  3. 必須基準と加点基準を分け、重み付けを決める
  4. 評価尺度と判定に使う情報源を決める
  5. 経営層・指名委員会で承認し、文書として残す

STEP1:対象ポジションの役割と今後の経営課題を書き出す

最初に、対象ポジションの役割・権限、想定する交代時期、その時期に直面しそうな経営課題を書き出します。中期経営計画や事業計画から、「数年後にこのポジションで何を実現する必要があるか」を整理しましょう。

この段階で、現職者に求められてきた役割と、今後求められる役割の違いを確認しておくと、現職者と同じタイプを選ぶ偏りを防ぎやすくなります。

STEP2:評価軸ごとに基準項目を経験・行動で記述する

次に、5つの評価軸ごとに基準項目を設定します。基準項目は、評価者が事実で判定できるよう、経験や行動の形で記述します。

抽象的な基準経験・行動で記述した基準
経営感覚がある事業または部門の予算策定から実績管理までを責任者として担当した
変革を推進できる既存の業務や仕組みを見直す取り組みを主導し、関係部門の合意を得て実行した
人を育てられる部下の育成計画を立て、部下を上位の役割に登用できる水準まで育てた

1つの評価軸に多くの項目を設けると、評価者の負担が増え、重要な項目が分かりにくくなります。各評価軸の項目は、対象ポジションに本当に必要なものに絞りましょう。

STEP3:必須基準と加点基準を分け、重み付けを決める

基準項目ごとに、「満たしていなければ候補にしない必須基準」と、「候補者同士を比較するための加点基準」を区別します。必須基準を増やしすぎると候補者がいなくなるため、就任後の育成で補える項目は加点基準に回します。

加点基準には、対象ポジションの課題に応じて重みを付けます。たとえば、新規事業の立ち上げが課題であれば、変革の推進に関する行動特性の重みを高くするといった調整です。重み付けの理由も記録しておくと、後の見直しや説明に役立ちます。

STEP4:評価尺度と判定に使う情報源を決める

基準項目ごとに、評価の段階と判定に使う情報源を決めます。評価尺度は「十分に満たす」「おおむね満たす」「一部不足」「不足」の4段階など、評価者が判断しやすい数にします。

情報源は、人事評価の記録、職務経歴や異動履歴、360度評価、面談、適性検査やアセスメントの結果など、項目ごとに指定します。「どの情報で判定するか」を決めずにいると、評価者ごとに参照する情報が変わり、判定のばらつきにつながります。

STEP5:経営層・指名委員会で承認し、文書として残す

作成した選定基準表は、人事部門だけで確定せず、経営層や取締役会、指名委員会など、後継者の決定に関わる機関で承認を得ます。経営トップの後継者候補であれば、指名委員会での議論が前提です。

承認した基準は文書として残し、定期的に見直す時期を決めておきます。経営戦略や事業環境が変われば、求める人物像も変わるためです。選定基準表には候補者の評価が記入されるため、閲覧できる人の範囲もあわせて決めておきましょう。

選定基準表の記入例(営業本部長の場合)

営業本部長の後継者候補を選ぶ場合の記入例です。

評価軸基準項目区分重み判定に使う情報源
①就任要件複数拠点の営業組織をマネジメントした経験がある必須—職務経歴、異動履歴
①就任要件全社予算の策定に関わった経験がある加点中職務経歴、上司への確認
②行動特性方針が異なる部門と調整し、期限内に合意形成した加点高人事評価の記録、360度評価
②行動特性部下を上位の役割に登用できる水準まで育成した加点中人事評価の記録、部下の登用実績
③将来性未経験の役割で、期待水準の成果を上げた加点高評価の推移、アセスメント
④意欲・意向営業本部の責任者を担う意向がある必須—キャリア面談
⑤価値観・倫理観顧客や社内に対し、不利な情報も含めて誠実に報告している必須—360度評価、面談

※記入例(サンプル)です。基準項目、区分、重みは、自社の経営課題や対象ポジションに合わせて設定してください。

選定基準に照らして候補者を判定する進め方

選定基準を作ったら、次の流れで候補者を判定します。

候補者の母集団を決め、ロングリストを作る

最初に、どの階層・部門から候補者を探すかを決め、必須基準を満たす可能性のある人を広めに挙げた候補者リスト(ロングリスト)を作ります。

候補者の人数は、企業規模や交代までの期間によって異なります。経済産業省の指針では、指名委員会が個別に把握・評価できる規模は通常、数名から数十名程度とされています。また、候補者が1人しか示されないと比較対象がなく実質的な議論がしにくいため、可能な限り複数の候補者を示すことが望ましいとされています。

外部人材を候補に含める場合も、社内の候補者と同じ選定基準で評価します。指針では、外部人材との比較が、社内候補者の相対的な状況や適格性を確認することにも役立つとされています。必須基準を条件に社内の候補者を洗い出す方法は、スキル・経験から社内の候補者を探す手順で紹介しています。

複数の情報と評価者で判定する

候補者の判定では、1つの情報や1人の評価者に頼らないことが重要です。経済産業省の指針では、企業で取り組まれている評価方法の例として、本人との面談、360度評価、従業員の意識調査、心理学的手法を用いた適性テスト、外部専門家の活用が挙げられています。

評価手法主に確認できる評価軸留意点
人事評価の記録・職務経歴①就任要件、②行動特性複数期間の推移を見る
360度評価(上司・同僚・部下などからの評価)②行動特性、⑤価値観・倫理観評価者の選び方と匿名性に配慮する
本人との面談④意欲・意向、⑤価値観・倫理観質問項目を事前にそろえる
適性検査・アセスメント③将来性、②行動特性結果だけで判断せず、他の情報と組み合わせる
経営層・社外取締役との接点(取締役会での説明など)③将来性、⑤価値観・倫理観複数回の機会を設ける

評価者は、直属の上司に加えて、人事部門、他部門の責任者、経営層などを組み合わせます。経営トップの後継者候補であれば、指名委員会の社外取締役が候補者と直接接する機会を設けることも、指針で有益な工夫として紹介されています。

準備度を判定し、短期の候補と中長期の候補を分ける

選定基準による評価とあわせて、「いつ就任できる状態か」を示す準備度も判定します。同じ選定基準を満たす候補者でも、今すぐ就任できる人と、数年の育成が必要な人では、次に取るべき対応が異なるためです。

経済産業省の指針でも、交代までに時間がある場合でも、不測の事態に備えて短期的な後継者候補をリストアップしておくことが望ましいとされています。準備度の区分は企業によって異なります。区分例と計画シートへの記入方法は、準備度の区分例と計画シートへの記入方法をご覧ください。

定期的に再評価し、絞込み・入替えを行う

後継者候補は、一度選んだら固定するものではありません。育成の進み具合や担当業務での成果を定期的に確認し、選定基準に照らして候補者の絞込みや入替えを行います。

あわせて、選定基準そのものも見直します。経営戦略の変更や組織改編があった場合は、定期的な見直しの時期を待たずに、基準が現在の役割に合っているかを確認しましょう。

後継者候補の選定基準でよくある失敗と対策

よくある失敗起きやすい問題対策
現在の業績を最大の基準にする上位の役割で求められる能力とずれる現在の成果と将来性を分けて評価する
現職者が自分に似た人を選ぶ今後の経営課題に必要な経験が不足する将来の役割から逆算して基準を作る
抽象的な言葉だけで基準を書く評価者によって判定が分かれる経験や行動の事実で基準を記述する
必須基準を増やしすぎる該当者がいなくなる就任後に補える項目は加点基準にする
1人の評価者で判定する推薦者との関係に判定が左右される複数の情報と評価者を組み合わせる
職務と関係のない属性で判断する公正さを欠き、法令違反となるおそれもある役割に必要な経験・行動・意向で判定する
基準を作ったまま見直さない経営戦略と基準がずれる年1回以上と、戦略変更時に見直す

特に注意したいのが、職務と関係のない属性による判断です。男女雇用機会均等法第6条は、労働者の配置や昇進などについて、性別を理由とする差別的取扱いを禁止しています。後継者候補の選定でも、基準は対象ポジションの役割に必要な経験・行動・意向で構成し、評価者が無意識の思い込みで判断していないかを確認しましょう。個別の判断に迷う場合は、社会保険労務士や弁護士などの専門家に確認してください。

選定基準を運用し続けるには人材情報の整理が必要

選定基準に照らして候補者を判定するには、人事評価の履歴、職務経歴、異動履歴、資格、本人の意向などを、必要なときに確認できる状態が欠かせません。これらがExcelや紙、複数のシステムに分散していると、判定や再評価のたびに情報を集め直すことになります。

まずは、選定基準表で指定した情報源ごとに、どこで管理し、誰がいつ更新するのかを確認しましょう。後継者候補に関する情報は機微な内容を含むため、閲覧できる人の範囲を限定するなど、アクセス権限の設計も必要です。

人事管理システムを活用する方法もあります。クラウド型人事管理システム「サイレコ」の機能紹介ページでは、従業員情報の一元管理と管理項目のカスタマイズ、基準日を指定した組織構成の履歴検索、組織図を見ながらの人事異動シミュレーションなどが案内されています。また、システム連携で蓄積した適性検査の結果と職務での成果を分析し、育成基準などに活用できることも紹介されています。

評価に関しては、評価シートの作成・配布・回収や評価点の調整などの機能が案内されており、料金ページではMBO・OKR評価やコンピテンシー評価などがオプションとして掲載されています。

なお、システムが後継者候補を選定するわけではありません。選定基準や判定のプロセスは自社で設計したうえで、判定に必要な情報を蓄積・確認する基盤として活用することが重要です。提供範囲や条件は、公式サイトで最新の情報をご確認ください。

後継者候補の選定基準に関するよくある質問

後継者候補は何人選べばよいですか?

一律の基準はありませんが、1つのポジションに1人だけでは、退職や辞退で計画が成り立たなくなります。経済産業省の指針では、指名委員会が個別に把握・評価できる規模は数名から数十名程度とされ、比較のために可能な限り複数の候補者を示すことが望ましいとされています。

業績が高い人を後継者候補にすればよいのではありませんか?

業績は重要な判断材料の一つですが、それだけで選ぶのは避けましょう。現在の職務で成果を上げていても、上位の役割で求められる経験や行動特性を備えているとは限りません。業績は「行動特性」や「就任要件」の判定材料として扱い、将来性や意向とあわせて評価します。

社外の人材も同じ基準で評価すべきですか?

社外の人材を候補に含める場合も、社内の候補者と同じ選定基準で評価します。同じ基準で比較することで、社内候補者の強みや不足している点も把握しやすくなります。ただし、自社の経営理念や事業の理解には時間がかかる場合があるため、価値観・倫理観や就任要件の確認方法は工夫が必要です。

選定基準は候補者本人や社内に公開すべきですか?

企業の方針によって異なり、一律の正解はありません。経済産業省の指針では、求める人物像の具体的な内容は経営戦略に関わるため外部への情報発信には限界があるとされています。また、本人や社内への告知は候補者同士の健全な競争を促す可能性がある一方、選ばれなかった社員のモチベーションへの配慮も必要とされています。公開の範囲は、着手前に方針として決めておきましょう。

後継者候補の選定基準を作る前のチェックリスト

  • 対象ポジションと想定交代時期が決まっている
  • 対象ポジションの役割と今後の経営課題を書き出している
  • 5つの評価軸ごとに基準項目を設定している
  • 基準項目を経験・行動の事実で記述している
  • 必須基準と加点基準を分けている
  • 加点基準の重み付けとその理由を記録している
  • 基準項目ごとに評価尺度と情報源を決めている
  • 複数の評価者で判定する体制を決めている
  • 職務と関係のない属性を基準に含めていない
  • 経営層・指名委員会などで基準を承認する手順が決まっている
  • 選定基準表の閲覧範囲と見直し時期を決めている

まとめ|選定基準は「役割から逆算」「必須と加点」「複数で判定」

後継者候補の選定基準は、次の3点を押さえて作ります。

  1. 現職者の人物像ではなく、対象ポジションが数年後に担う役割から逆算する
  2. 就任要件・行動特性・将来性・意欲・価値観の5つの評価軸で基準を設定し、必須基準と加点基準を分ける
  3. 複数の情報と評価者で判定し、候補者と基準を定期的に見直す

まずは、空席になったときの影響が大きいポジションを1つ選び、選定基準表の素案を作るところから始めましょう。

後継者候補の選定基準を毎年見直すには、評価や異動履歴、組織情報を必要なときに確認できる状態が欠かせません。人事情報の一元管理や組織図の活用を検討している場合は、サイレコの機能と、評価機能のオプションを含む料金プランをご確認ください。

サイレコの機能紹介を見る

評価機能のオプションを料金プランで確認する

参考資料

お役立ち資料はこちら

この記事を読んだあなたにおすすめ!

← 人事管理システム業務効率化ナビ
Popup Banner Popup Banner