後継者計画(サクセッションプラン)は、①重要ポジションの特定と空席リスクの評価、②ポジションごとの人材要件の定義、③候補者の選定と準備度の判定、④候補者ごとの育成計画の作成、⑤定期的なレビューと更新、の5ステップで作ります。大切なのは、計画書を作って終わりにせず、配置や評価と結び付けて毎年見直すことです。本記事では、各ステップの進め方と計画シートに記載する項目、上場企業が確認したい2026年改訂コーポレートガバナンス・コードの要点、よくある失敗を解説します。
後継者計画の作り方は5ステップ|各ステップで作るもの
後継者計画は、次の5ステップで作ります。ステップごとに「何を決め、何を成果物として残すか」を明確にしておくと、経営層や関係部門と進捗を共有しやすくなります。
| ステップ | 決めること | 成果物 |
|---|---|---|
| STEP1 | 後継者を準備するポジションと優先順位 | 対象ポジション一覧、空席リスク評価表 |
| STEP2 | ポジションごとに求める経験・能力・行動 | 人材要件の定義 |
| STEP3 | 後継者候補と、それぞれの準備度 | 準備度つきの候補者リスト |
| STEP4 | 候補者ごとの育成内容と期限 | 個別の育成計画 |
| STEP5 | 見直しの時期と方法 | レビュー記録、更新した計画シート |
5つの成果物は、最終的にポジションごとの「後継者計画シート」1枚にまとめると管理しやすくなります。シートの記載項目と記入例は、後の章で紹介します。
後継者計画(サクセッションプラン)とは、特定ポジションの後任を計画的に準備する仕組み
後継者計画とは、社長・CEOなどの経営トップや事業部長、重要な専門職など、事業に大きな影響を持つポジションについて、将来の後任候補をあらかじめ選び、計画的に育成する仕組みです。英語では「サクセッションプラン(succession plan)」と呼ばれます。
欠員が出てから後任を探すのではなく、退任や異動が起きる前に候補者を準備しておく点が特徴です。突然の退職や病気などで重要ポジションが空いた場合でも、事業への影響を抑えやすくなります。
全社員を対象とする人材育成とは異なり、後継者計画は対象ポジションと候補者を絞って進めます。また、組織全体で将来必要な人材を育てて配置する「人材の流れ」を設計する考え方はタレントパイプラインと呼ばれ、後継者計画はその一部に位置づけられます。組織全体の設計から考えたい場合は、タレントパイプラインの考え方と構築方法も参考にしてください。
中小企業の事業承継計画とは扱う範囲が異なる
「後継者」という言葉は、中小企業の事業承継(経営者の交代に伴う株式や事業用資産の引き継ぎ)でも使われます。事業承継では、後継者の育成に加えて、株式の移転方法、税務、金融機関との関係などの検討も必要です。
本記事では、企業内の重要ポジションの後任をどう準備するかという人事の観点から解説します。株式や資産の承継を含む事業承継については、中小企業庁の「事業承継ガイドライン」や、各地の事業承継・引継ぎ支援センター、税理士などの専門家に確認してください。
後継者計画を作り始める前に決める3つのこと
手順に入る前に、次の3点を決めておきます。ここが曖昧なまま始めると、対象が広がりすぎたり、誰が判断するのか分からず途中で止まったりしやすくなります。
1.目的と経営戦略との関係
何のために後継者計画を作るのかを明確にします。例えば「中期経営計画に向けた次期経営体制の準備」「特定の人に依存しているポジションの空席リスクの低減」などです。目的によって、対象とするポジションや候補者に求める要件が変わります。
2.対象範囲
最初から全管理職を対象にすると作業量が多くなり、運用が続かない原因になります。まずは経営トップと、事業への影響が大きい少数のポジションから始め、運用が定着してから範囲を広げる進め方が現実的です。
3.推進体制と情報の取り扱いルール
計画を承認する機関(取締役会、指名委員会、経営会議など)と、資料作成やスケジュール管理を担う事務局を決めます。経営トップの後継者計画は人事部門だけでは決められない事項が多いため、経営層や取締役会の関与が欠かせません。
あわせて、候補者情報の取り扱いルールも決めておきます。後継者候補の氏名や評価は機微な情報のため、閲覧できる人の範囲、保存場所、候補者本人へ伝えるかどうかの方針を事前に定めておくと、運用中の混乱を防げます。
後継者計画の作り方5ステップ
STEP1:重要ポジションを洗い出し、空席リスクを評価する
最初に、後継者を準備すべきポジションを洗い出します。役職の高さだけで決めるのではなく、「そのポジションが空いたとき、事業にどの程度の影響が出るか」という観点で選ぶことが重要です。
判断には、次の観点を使います。
- 事業への影響:空席になると、売上、顧客対応、意思決定などに大きな影響が出るか
- 代替の難しさ:特定の知識、資格、社外との関係などが必要で、すぐに代わりが見つからないか
- 想定交代時期:任期、定年、本人の意向などから、交代が近づいていないか
- 現在の候補者数:すでに後任を任せられる人がいるか
これらを一覧にした「空席リスク評価表」を作り、優先度の高いポジションから着手します。
| ポジション | 事業への影響 | 代替の難しさ | 想定交代時期 | 現在の候補者数 | 優先度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 代表取締役社長 | 大 | 大 | 3〜5年後 | 1名 | 高 |
| 営業本部長 | 大 | 中 | 2年後 | 0名 | 高 |
| 品質保証部長 | 中 | 大(資格要件あり) | 未定 | 1名 | 中 |
※表は記入例(サンプル)です。
洗い出しの際は、現在の組織図だけでなく、事業計画を踏まえた数年後の組織図を仮に作ると、新設予定のポジションや退任・異動で空く可能性がある役職を見落としにくくなります。組織図の作成方法は、組織図の作り方と人材配置への活用方法もあわせて確認してください。
STEP2:ポジションごとの人材要件を定義する
次に、対象ポジションごとに後任に求める人材要件を定義します。要件は「現職者と同じタイプの人」を基準にするのではなく、数年後の経営戦略や事業環境のもとで、そのポジションが果たすべき役割から逆算して決めます。
要件は、次のような区分で整理すると抜け漏れを防げます。
- 経験:担当した事業、マネジメントした組織の規模、新規事業や海外の経験など
- 知識・スキル:財務、業界知識、専門資格など
- 行動特性:意思決定、関係者の巻き込み、部下の育成など
- 価値観・姿勢:経営理念への共感、変化への対応など
すべてを満たす人材は多くありません。要件に優先順位をつけ、「就任時点で必須のもの」と「就任後に補えるもの」を分けておくと、候補者の選定や育成計画に使いやすくなります。
また、「リーダーシップがある」といった抽象的な表現だけでは、評価者によって判断がぶれます。「意見の異なる部門長をまとめ、方針を決定した経験がある」のように、確認できる経験や行動で表現しましょう。要件を行動レベルに落とし込む手順は、行動基準を設計するコンピテンシーモデルの作り方で解説しています。
STEP3:候補者を選び、準備度を判定する
人材要件をもとに、後継者候補を選びます。1つのポジションに候補者を1人だけ置くと、その人が退職や辞退をした時点で計画が成り立たなくなるため、可能な範囲で複数の候補者を検討します。
候補者を選ぶ際は、直属の上司の推薦だけに頼らず、次のような複数の情報を組み合わせます。
- 複数期間の人事評価
- 職務経験と異動履歴
- 保有スキル・資格
- 研修の受講歴
- 適性検査やアセスメントの結果(実施している場合)
- 本人のキャリア志向と意向
将来の役割で成果を出せるかどうかは、現在の業績だけでは判断できません。将来性を見極める視点と選抜の進め方は、将来性を判断する視点と選抜手順をご覧ください。
候補者を選んだら、いつ就任できる状態かを示す「準備度」を判定します。区分は企業によって異なりますが、次のように分けると、育成の優先順位や外部採用の要否を判断しやすくなります。
| 区分(例) | 判定の目安 | 次の対応 |
|---|---|---|
| すぐに就任可能 | 必須要件をおおむね満たしている | 就任後に補う点を整理し、引き継ぎ計画を作る |
| 1〜3年で就任可能 | 一部の経験・能力が不足している | 不足を補う配置や育成を計画的に行う |
| 3〜5年で就任可能 | 将来性はあるが経験が不足している | 幅広い経験を積ませる長期の育成計画を作る |
| 緊急時の代行者 | 一時的に職務を代行できる | 代行する範囲と期間をあらかじめ決めておく |
※区分は一例です。自社の育成期間や役職構成に合わせて調整してください。
「すぐに就任可能」な候補者がいない場合でも、緊急時に職務を代行する人を決めておくと、突然の空席に対応しやすくなります。社内に候補者が見つからないポジションは、外部からの採用も含めて検討します。
STEP4:候補者ごとに育成計画を作る
候補者ごとに、人材要件と現在の状態との差(ギャップ)を整理し、それを埋めるための育成計画を作ります。重要ポジションに必要な能力は研修だけでは身につきにくいため、実際の業務で経験を積む機会を中心に計画します。
主な育成手段には、次のようなものがあります。
- 配置転換・ジョブローテーション:異なる事業や機能を経験させる
- 責任の大きい役割への登用:新規事業、部門横断プロジェクト、子会社の責任者など
- 研修・外部プログラム:財務、戦略、リーダーシップなどを体系的に学ぶ
- 経営会議などへの参加:経営判断の過程に触れる機会をつくる
- メンタリング・1on1:現職者や上位者が経験を伝え、振り返りを支える
育成計画には、「何を」「いつまでに」「誰の支援で」行い、「どう確認するか」まで記載します。期限と確認方法がない計画は、日常業務に追われて後回しになりやすいためです。
計画の実行には、候補者の上司や配置先の部門の協力が必要です。人事部門だけで進めず、配置や業務量の調整について関係部門と事前に合意しておきましょう。各手法の特徴と組み合わせ方は、研修・OJT・1on1などリーダー育成の具体的な方法で紹介しています。
STEP5:定期的なレビューで計画を更新する
後継者計画は、一度作れば完成するものではありません。候補者の成長、異動や退職、経営戦略の変更によって、計画の前提は変わります。少なくとも年1回は、経営層と人事部門が参加するレビューの場を設けて計画を見直しましょう。
レビューでは、次の点を確認します。
- 対象ポジションの優先度や想定交代時期は変わっていないか
- 人材要件は現在の経営戦略に合っているか
- 候補者の準備度は変わったか
- 育成計画は予定どおり進んでいるか
- 候補者の追加や入れ替えが必要か
定期レビューとは別に、候補者の退職、組織改編、経営方針の変更などがあった場合は、その都度計画を見直します。
計画の進み具合を把握するために、次のような指標を確認する方法もあります。
- 対象ポジションのうち、後継者候補がいるポジションの割合
- 「すぐに就任可能」な候補者がいるポジションの割合
- 重要ポジションへの内部登用の割合
- 後継者候補の離職の有無
ただし、指標は計画が機能しているかを確かめるための手段です。数値を整えること自体が目的にならないよう、レビューでの議論とあわせて活用しましょう。
後継者計画シートに記載する項目(記入例つき)
5ステップの内容は、ポジションごとに1枚の「後継者計画シート」にまとめると、レビューや担当者の交代時にも使いやすくなります。主な記載項目は次のとおりです。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 対象ポジション | 役職名・所属 |
| 現職者 | 氏名、就任時期 |
| 想定交代時期 | 任期、定年、本人の意向などから想定する時期 |
| 空席リスク | 事業への影響、代替の難しさ、優先度 |
| 人材要件 | 就任時点で必須の要件、就任後に補える要件 |
| 後継者候補 | 候補者の氏名(可能な範囲で複数) |
| 準備度 | 候補者ごとの区分 |
| 不足している要件 | 候補者ごとのギャップ |
| 育成アクション | 配置、登用、研修、メンタリングなど |
| 担当者・期限 | 育成を支援する人と実施期限 |
| 緊急時の代行者 | 突然の空席時に職務を代行する人と範囲 |
| 前回・次回のレビュー日 | 見直しの記録と予定 |
| 閲覧権限 | シートを閲覧できる人の範囲 |
記入例は次のとおりです。
| 項目 | 記入例(サンプル) |
|---|---|
| 対象ポジション | 営業本部長 |
| 現職者 | 〇〇 〇〇(20XX年就任) |
| 想定交代時期 | 20XX年4月(定年予定) |
| 空席リスク | 事業への影響:大/代替の難しさ:中/優先度:高 |
| 人材要件 | 必須:複数拠点のマネジメント経験、主要顧客との関係構築/就任後に補える:全社予算の策定経験 |
| 後継者候補 | 候補者A(第一営業部長)、候補者B(〇〇支店長) |
| 準備度 | 候補者A:1〜3年で就任可能/候補者B:3〜5年で就任可能 |
| 不足している要件 | 候補者A:全社予算の策定経験/候補者B:大規模組織のマネジメント経験 |
| 育成アクション | 候補者A:次期予算策定プロジェクトに参画/候補者B:20XX年度に大規模拠点へ異動 |
| 担当者・期限 | 候補者A:営業本部長が支援(20XX年3月まで)/候補者B:人事部と配置先の部長(20XX年度中) |
| 緊急時の代行者 | 候補者A(営業本部の日常的な意思決定に限る) |
| 前回・次回のレビュー日 | 20XX年X月/20XX年X月 |
| 閲覧権限 | 社長、人事担当役員、人事部長 |
※記入例は架空のサンプルです。書式は、自社の評価制度や会議体に合わせて調整してください。
上場企業は2026年改訂のコーポレートガバナンス・コードを確認する
上場企業の場合、経営トップの後継者計画はコーポレートガバナンス・コード(CGコード)でも取り上げられています。CGコードは2026年7月21日に改訂版が公表され、構成が大きく見直されました。
2026年改訂版では、従来の補充原則が廃止され、その内容は「原則」と、新設された「解釈指針」に再整理されています。CEOの後継者計画については、取締役会が経営理念や具体的な経営戦略を踏まえて策定・運用に主体的に関与し、後継者候補の育成と資質を備えたCEOの選任が十分な時間と資源をかけて計画的に行われるよう監督すべきことが、原則4-3に記載されています。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 上場会社 |
| 公表日 | 2026年7月21日(同日に関連する有価証券上場規程の改正も施行) |
| 後継者計画に関する主な記載 | 原則4-3(CEOの後継者計画への取締役会の主体的な関与と監督)。指名委員会に関する解釈指針でも、指名にサクセッションプランが含まれることが示されている |
| 法的な性質 | 法的拘束力のある規範ではない。原則を実施するか、実施しない理由を説明する「コンプライ・オア・エクスプレイン」の手法をとる |
| 解釈指針の位置づけ | コンプライ・オア・エクスプレインの対象外だが、原則への実質的な対応を支援するもの |
| コーポレート・ガバナンス報告書 | 改訂後のコードを踏まえた報告書を、準備ができ次第、2027年7月末日までに提出する |
非上場企業にはCGコードは適用されません。ただし、重要ポジションの後任を計画的に準備するという考え方は、上場の有無や企業規模にかかわらず参考になります。
上場企業の人事部門は、取締役会や指名委員会の審議に必要な資料(候補者の経歴、評価、育成の進捗など)を準備する事務局の役割を担うことが多くなります。具体的な対応は、自社のガバナンス体制を踏まえ、法務部門などと確認しながら進めてください。経済産業省も、社長・CEOを中心とした後継者計画の策定・運用についてまとめた「指名委員会・報酬委員会及び後継者計画の活用に関する指針」を公表しています。
出典:
- 金融庁・東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」(2026年7月21日)
- 金融庁「コーポレートガバナンス・コードの改訂(2026年)の概要」
- 東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コードの改訂に係る有価証券上場規程の一部改正について」
- 経済産業省「指名委員会・報酬委員会及び後継者計画の活用に関する指針」
後継者計画でよくある失敗と対策
後継者計画は長期にわたる取り組みのため、作り方よりも運用の段階でつまずくことが少なくありません。よくある失敗と対策を整理します。
| よくある失敗 | 起きやすい問題 | 対策 |
|---|---|---|
| 現職者が後任を指名するだけで終わる | 選定理由を説明できず、候補者以外の納得感が下がる | 人材要件を先に決め、複数の情報と複数の評価者で候補者を検討する |
| 候補者が1人しかいない | 退職や辞退で計画が白紙に戻る | 可能な範囲で複数の候補者と、緊急時の代行者を置く |
| 候補者情報の扱いが決まっていない | 秘匿しすぎて育成が進まない、または公表しすぎて対象外の社員の意欲が下がる | 閲覧権限と本人への伝え方の方針を、着手前に決めておく |
| 計画を作ったまま見直さない | 戦略や人員の変化に合わない計画が残る | 年1回以上のレビューと、異動・退職時の更新をルール化する |
| 必要な人材情報が散らばっている | 評価や異動履歴を集めるたびに時間がかかり、判断が印象に頼りがちになる | 候補者の検討に使う情報を一か所で確認できるよう整備する |
特に注意したいのが、候補者情報の扱いです。候補者本人に伝えると育成への意欲を高めやすい一方、選ばれなかった社員の受け止め方や、候補者の入れ替えが起きた場合の影響も考える必要があります。どちらが正しいという一律の答えはないため、自社の風土や対象ポジションに応じて方針を決めておきましょう。
後継者計画の運用開始前チェックリスト
運用を始める前に、次の項目を確認しておくと抜け漏れを防げます。
- 後継者計画の目的と、経営戦略との関係を説明できる
- 計画を承認する機関と、事務局が決まっている
- 対象ポジションと優先順位が決まっている
- ポジションごとに、必須の要件と就任後に補える要件を分けて定義している
- 可能な範囲で、1ポジションに複数の候補者を検討している
- 候補者ごとに準備度を判定している
- 緊急時の代行者を決めている
- 育成計画に、内容・期限・支援者・確認方法を記載している
- 次回のレビュー日が決まっている
- 候補者情報の閲覧権限と、本人への伝え方の方針が決まっている
- 評価や異動履歴など、検討に使う人材情報の所在を把握している
後継者計画を続けるには人材情報の整備が欠かせない
後継者計画を毎年見直すには、候補者の評価、職務経験、異動履歴、保有スキル、本人の意向などを、必要なときにすぐ確認できる状態が必要です。これらがExcelや紙、複数のシステムに分散していると、レビューのたびに情報を集め直すことになり、見直しそのものが負担になります。
まずは、後継者計画で使う人材情報の項目を決め、どこで管理し、誰がいつ更新するのかを明確にしましょう。候補者に関する情報は機微な内容を含むため、閲覧できる人を限定するなど、アクセス権限の設定も欠かせません。
人事管理システムを活用する方法もあります。クラウド型人事管理システム「サイレコ」では、従業員情報の一元管理と管理項目のカスタマイズ、組織図や組織構成の管理、基準日を指定した組織構成の履歴検索などの機能が提供されています。機能紹介ページでは、組織図を見ながらの人事異動シミュレーションや、未来の組織図の作成も案内されています。
評価に関しては、評価シートの作成・配布・回収や評価点の調整などの機能があり、MBO・OKR評価やコンピテンシー評価などは料金プランでオプションとして掲載されています。
なお、システムが後継者を選んだり、後継者計画を自動で作ったりするわけではありません。人材要件や判断のプロセスは自社で設計したうえで、必要な情報を蓄積・確認する基盤として活用することが重要です。提供範囲や条件は、サイレコの機能紹介でご確認ください。
後継者計画の作り方に関するよくある質問
後継者計画は誰が作りますか?
経営層と人事部門が役割を分担して作るのが一般的です。経営トップの後継者計画は、経営戦略との関係や最終的な選任に関わるため、経営層や取締役会(指名委員会を設置している場合はその委員会)の関与が欠かせません。人事部門は、人材情報の整理、資料作成、スケジュール管理などの事務局を担います。
後継者計画は何年前から始めればよいですか?
一律の基準はありません。想定交代時期から逆算し、候補者の育成に必要な期間を確保できる時期に着手します。重要ポジションに必要な経験は短期間では積めないことが多いため、交代時期が近づいてから始めると、育成が間に合わない場合があります。
後継者候補であることを本人に伝えるべきですか?
企業の方針によって異なり、一律の正解はありません。伝えると本人の意欲や意向を確認しやすくなる一方、候補者の入れ替えが起きた場合や、選ばれなかった社員への影響にも配慮が必要です。着手前に方針を決め、伝える場合は「確定ではなく、定期的に見直す」ことも併せて説明するとよいでしょう。
非上場企業や中小企業でも後継者計画は必要ですか?
コーポレートガバナンス・コードは上場会社を対象としたもので、非上場企業に適用されるものではありません。ただし、特定の人に業務や意思決定が集中している企業ほど、その人が不在になったときの影響は大きくなります。規模にかかわらず、影響の大きいポジションから小さく始める価値はあります。
社内に後継者候補がいない場合はどうすればよいですか?
まずは人材要件を見直し、「就任時点で必須の要件」が過度に高くなっていないかを確認します。そのうえで、緊急時の代行者を決めつつ、外部からの採用や、数年かけて育てる若手・中堅の候補者の選定を検討します。経営者の交代に伴う株式の承継などが関わる場合は、中小企業庁の情報や専門家にも相談してください。
まとめ|後継者計画は「作る」より「見直し続ける」仕組みにする
後継者計画は、①重要ポジションの特定と空席リスクの評価、②人材要件の定義、③候補者の選定と準備度の判定、④候補者ごとの育成計画の作成、⑤定期的なレビューと更新、の5ステップで作ります。
成果物はポジションごとの後継者計画シートにまとめ、少なくとも年1回は経営層と人事部門で見直しましょう。まずは、事業への影響が大きいポジションを数個選び、空席リスク評価表を作るところから始めるのがおすすめです。
後継者計画を見直し続けるには、所属や異動の履歴、評価、組織図などの人材情報を最新の状態に保つ仕組みが必要です。人事情報の一元管理や組織図の活用を検討している場合は、サイレコの機能や料金プランもご確認ください。