社内公募制度のメリットは、企業にとっては、意欲と要件を備えた人材を社内から配置でき、社外への人材流出を抑えるきっかけになることです。社員にとっては、自分の意思で仕事を選び、社内でキャリアの選択肢を広げられることです。
ただし、不合格者へのフォローや送り出し部署との調整を設計しないと、意欲の低下や部署間の摩擦といったデメリットが表に出ます。
本記事では、企業と社員それぞれのメリット、起こりうるデメリット、メリットを得るための運用ポイントを、公的機関の調査や企業事例をもとに解説します。
社内公募制度とは:募集部署が要件を示し、社員が自ら応募する異動の仕組み
社内公募制度とは、人材を必要とする部署が仕事やポストの要件を社内に公開し、その仕事に就きたい社員を社内から募って選考する仕組みです。「ジョブポスティング」と呼ばれることもあります。
一般的な流れは次のとおりです。
- 募集部署が、職種・業務内容・求めるスキルや経験などの募集要件を社内に公開する
- 社員が募集要件を確認し、希望する仕事に応募する
- 書類選考や面接などの選考を行う
- 合格した場合に異動が成立する
会社が配置を決める通常の人事異動とは異なり、異動の起点が「社員本人の応募」にある点が最大の特徴です。
自己申告制度・社内FA制度・ジョブローテーションとの違い
社内公募制度と似た仕組みに、自己申告制度、社内FA制度、ジョブローテーションがあります。主に「誰が起点になるか」と「誰が異動を決めるか」が異なります。
| 制度 | 仕組み | 主導する主体 | 異動を決める主体 | 導入率(調査値) |
|---|---|---|---|---|
| 社内公募制度 | 部署が要件を示して募集し、応募者から選考する(求人型) | 各部門 | 各部門 | 42.2% |
| 社内FA制度 | 社員が自分の経験や能力を発信し、関心を持った部署が名乗りを上げる(求職型) | 社員本人 | 各部門 | 11.8% |
| 自己申告制度 | 社員のキャリア希望などを人事が収集し、配置の参考にする(情報収集型) | 人事部門 | 人事部門・各部門 | 67.5% |
| ジョブローテーション | 育成などを目的に、会社が計画的に職務や部署を変える | 会社(人事) | 会社 | — |
※導入率はリクルートマネジメントソリューションズ(2022)の調査をもとにした値で、千野(2025)が紹介しているものです。ジョブローテーションの導入率は同資料に記載がありません。
自己申告制度は、社員の希望を把握して配置の参考にする仕組みで、希望がそのまま異動につながるとは限りません。社内公募制度は、募集と応募がそろい、選考に合格すれば異動が成立します。両者は併用されることも多くあります。自己申告書の項目や運用方法は、自己申告書の目的と項目例で解説しています。
社内公募制度を導入する企業は増加傾向にある
社内公募制度は、主に大企業を中心に導入が進んできました。
- 労働政策研究・研修機構の2006年の調査(東京証券取引所の上場企業が対象):導入率34.7%
- リクルートマネジメントソリューションズの2022年の調査:導入率42.2%
両調査は対象企業が異なるため、数値を単純には比較できません。ただし、この2つを紹介した論文では、導入企業は増加傾向にあると考えられるとしています。
政府が2024年8月に公表した「ジョブ型人事指針」でも、社内公募の拡充を進める企業事例が多く紹介されています。
企業側のメリット:意欲と要件を備えた人材を社内から配置できる
社内公募制度を導入した企業は、主に次の目的を挙げています。労働政策研究・研修機構の2007年の調査結果(リクルートワークス研究所の論文で紹介)は以下のとおりです。
- 社員の自発的なキャリア形成の促進:90.2%
- 社員の意欲向上:82.4%
- 優秀な社員の発掘:33.3%
- 優秀な人材の社外流出を抑える:27.5%
ここでは、企業側の主なメリットを4つに整理します。
応募の意欲と募集要件の両方を確かめて配置できる
会社主導の異動では、本人の希望と配属先の仕事が必ずしも一致しません。社内公募では、仕事内容と要件を知ったうえで社員が自ら応募するため、異動先の仕事に対する意欲を前提に配置できます。
また、募集要件と照らして選考するため、意欲だけでなく、必要な経験やスキルを備えているかも確認できます。社員がすでに自社の業務の進め方や社内事情を理解している点も、外部採用との違いです。
一方、すべてのポストを公募で埋めることは現実的ではありません。多くの企業は、会社主導の配置と組み合わせて運用しています。会社側で配置を検討する手順は、会社主導で配置を検討する際の手順で紹介しています。
社内に埋もれていたスキルや人材を発見できる
所属部署の上司や人事が、社員のすべての経験や関心を把握しているとは限りません。部署を越えた応募を受け付けると、ほかの部署で生かせるスキルや、新しい仕事に挑戦したい人材を発見しやすくなります。
ただし、社内公募は社員の応募を待つ仕組みです。募集しても応募が集まらない場合は、人事側から候補者を探す方法もあわせて検討しましょう。スキルや経験から候補者を探す方法も参考になります。
転職を考える社員に社内の選択肢を示し、流出抑制につなげられる
「今の仕事では成長できない」「別の仕事に挑戦したい」と考えた社員にとって、社外への転職だけが選択肢とは限りません。社内に応募できるポストがあれば、社内での挑戦を選ぶ道も開けます。
ジョブ型人事指針に掲載された富士通株式会社の事例では、次のような結果が紹介されています。
- 自律的なキャリア形成を促す施策で退職者が増えることが懸念されたが、実際には退職率は変わらなかった
- 転職を考えていた社員が、社内での別の職務への挑戦を選ぶケースも生じた
これは同社の取り組み全体の中で得られた結果であり、社内公募を導入すれば必ず離職が減るわけではありません。報酬や評価、上司との関係など、ほかの要因も定着に影響します。
部署が仕事の魅力と必要なスキルを言語化するようになる
社内公募では、募集部署が「どのような仕事で、どのような人材を求めているのか」を社員に伝える必要があります。その結果、仕事の内容や魅力、必要なスキルを言語化する意識が部署に生まれます。
ジョブ型人事指針によると、富士通株式会社では、社内の流動性を高めた結果、各部署に自部署や業務をより魅力的に見せる意識が生まれました。それが外部からの人材獲得力の向上にもつながったと紹介されています。
株式会社日立製作所では、社外から採用するポジションが生じた場合に、同時に社内でも募集する運用としています。いずれも企業固有の取り組みですが、社内公募が組織側の変化を促す例として参考になります。
社員側のメリット:自分の意思で仕事を選び、社内でキャリアを広げられる
社員にとってのメリットは、キャリアの選択権の一部を自分で持てることです。社内公募は、社員が自らのキャリアを考えて行動する「キャリア自律」を支える施策の一つでもあります。研修や面談など、ほかの施策との組み合わせ方は、キャリア自律を支援する施策の全体像で解説しています。
希望する仕事に自ら応募できる
会社主導の異動では、社員が異動先を選ぶことは基本的にできません。社内公募制度があれば、関心のある仕事や挑戦したい仕事に、自ら手を挙げられます。
会社を辞めずに職種や業務を変えられる可能性があるため、これまでの社内での経験や人間関係を生かしながら、キャリアの幅を広げられます。
求められるスキルが分かり、学ぶ目標を立てやすくなる
社内公募で募集要件が公開されると、社員は「その仕事に就くには、どのようなスキルや経験が必要か」を具体的に知ることができます。すぐに応募しない場合でも、目指す仕事に向けて何を学ぶべきかを考える材料になります。
ジョブ型人事指針の掲載企業の中には、職務記述書や人材要件を全社員に公開し、キャリア形成の手がかりとしている企業が複数あります。
募集要件を社員の成長目標として生かすには、職種ごとのキャリアの道筋を示すことも有効です。詳しくは職務ごとのキャリアパスを設計する方法をご覧ください。
納得して異動でき、仕事への熱意につながりやすい
自分で選んだ仕事であれば、異動の理由に納得しやすくなります。
リクルートワークス研究所の分析(2022年6月調査、従業員300人以上の企業に勤める社員866人が対象)では、次のことが示されています。
- 自らのキャリアについて主体的に学び行動する傾向(キャリア自律)が高い人ほど、社内公募に応募している
- キャリア自律が高い場合、異動希望が叶うと、ワーク・エンゲージメント(仕事への活力や熱意)への効果が高まる
ジョブ型人事指針でも、企業の事例が紹介されています。
- 富士通株式会社:社内公募で異動した社員に「強みを生かせているか」「成長を感じるか」を尋ねたところ、異動後は8〜9割が肯定的に回答した
- KDDI株式会社:社内公募による異動者は、会社主導の異動者よりエンゲージメントスコアが向上する傾向が見られた
いずれも特定の調査や企業での結果である点に留意してください。
社内公募制度のデメリット:送り出し部署の負担や不合格者の意欲低下が起こりうる
社内公募制度は、社内に人材の「市場」をつくる仕組みです。そのため、メリットの裏返しとしてデメリットも生じます。導入前に、どのような場面で起こりやすいかを把握しておきましょう。
| デメリット | 起きやすい場面 | 主な対策 |
|---|---|---|
| 送り出し部署の戦力が低下する | 優秀な社員が異動し、後任が決まらない | 異動時期の調整ルールを定める。後任の確保を人事が支援する |
| 不合格者の意欲が低下する | 結果だけが伝えられ、理由や今後の助言がない | 不合格者にも理由と今後に向けた助言を伝える |
| 人気部署と不人気部署の差が生じる | 特定部署に応募が集中し、別の部署には集まらない | 不人気の要因を部署と一緒に分析し、仕事の魅力を発信できるよう支援する |
| 人事や面接担当者の負担が増える | 募集・選考・調整の件数が増える | 募集時期の設計、書式の統一、人事情報の一元管理で手間を減らす |
| 応募の事実が広まり、職場の関係が悪化する | 応募したことが現在の上司や同僚に伝わる | 応募情報を共有する範囲と時期を明確に定める |
| 異動後にギャップを感じる | 異動先の仕事や期待役割が想定と異なる | 募集時に仕事内容を具体的に示し、異動後のフォローを行う |
特に注意したいのが、不合格者への対応です。千野(2025)が紹介しているリクルートワークス研究所の2022年の調査では、次の結果が示されています。
- 異動希望が叶わなかった人の35.2%が「いっさい説明はなかった」と回答し、希望が叶った人よりも20ポイント以上高かった
- 異動希望が叶った人の37.4%は「結果が詳しく説明され、内容について話し合った」と回答した
主体的に手を挙げた社員が、十分な説明を受けられずに落ち込んだままになると、離職につながる可能性があります。
また、希望が叶った人も安心はできません。同論文は、異動後に現実とのギャップや適応の難しさに直面する場合が少なくないと指摘しています。そのため、異動者のオンボーディング(異動先で早く力を発揮できるようにする支援)が求められます。
メリットを得るための運用ポイント:応募前から異動後までのルールを決める
社内公募制度のメリットは、制度を設けるだけでは得られません。応募前の情報公開から、選考、不合格者への対応、異動後のフォローまでを一連の流れとして設計することが重要です。
導入目的と対象ポジションを決め、募集要件を具体的に公開する
最初に、社内公募制度で何を実現したいのかを決めます。目的によって、対象とするポジションや選考の進め方が変わるためです。
- 新規事業に挑戦意欲の高い人材を集めたい
- 社員のキャリア選択の機会を増やし、社外流出を抑えたい
- 部署を越えた人材の活用を進めたい
募集要件は、「意欲のある人」「コミュニケーション能力の高い人」といった抽象的な表現にとどめず、業務内容、責任範囲、必要な経験・スキル・資格を具体的に示します。あわせて、必須の条件と、入社後の支援で補える歓迎条件を分けて記載します。
要件が具体的であれば、社員は自分に合う募集かを判断しやすくなり、異動後のギャップも減らせます。
応募資格と応募時期を決める
応募資格として、入社後や前回の異動後の在籍期間を条件に設ける企業は少なくありません。頻繁な異動でスキルが十分に身につかない状態を避けるためです。
- 千野(2025)が紹介する電機メーカー3社のうち2社:入社から1年、または直近の異動から1年の経過を条件にしている
- ソニーグループ株式会社(ジョブ型人事指針):現在の職場に2年在籍することを応募の条件としている
一方、条件を設けない企業や、以前の在籍年数要件を緩和した企業もあります。挑戦の機会を広げたいのか、配属先での習熟を優先したいのか、目的に合わせて判断しましょう。
応募時期は、通年で受け付ける方法と、時期を決めて受け付ける方法があります。リクルートワークス研究所の2022年の調査では、応募時期の分布は次のとおりでした(千野、2025)。
| 応募時期 | 割合 |
|---|---|
| 年1回 | 31.5% |
| 不定期 | 25.5% |
| 年2回 | 17.1% |
| 通年 | 12.5% |
通年募集は部署の人材ニーズに素早く対応できますが、選考や調整の件数が増え、人事や面接担当者の負担も大きくなります。
応募の事実を誰に伝えるかを決める
社員が安心して応募できるかどうかは、応募したことが現在の上司に伝わるかどうかに大きく左右されます。
ジョブ型人事指針には、次のような事例が掲載されています。
- パナソニック コネクト株式会社:異動が正式に決まるまで、直属の上司に応募の事実が伝わらない仕組みとしている
- ソニーグループ株式会社:応募にあたって上司の承認を不要としている
応募の事実をいつ、誰に共有するのかをルールとして明確にし、社員に事前に周知しましょう。応募書類や選考結果は個人情報にあたるため、利用目的、閲覧できる人の範囲、保管方法も定めておく必要があります。具体的な取り扱いは、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」で確認してください。
送り出し部署との調整ルールを決める
社内公募で最も摩擦が生じやすいのが、社員を送り出す部署との関係です。優秀な社員が抜けることを懸念して、上司が異動に反対するケースもあります。
送り出し部署が異動を拒否できるかどうかは、制度設計で決めておくべき事項です。拒否を認めると、応募者の不満が高まり、制度が機能しにくくなります。一方で、業務への影響を考慮した調整の余地を残す企業もあります。
例えばソニーグループ株式会社では、特定の部署から大量の人員が流出する場合に、異動人数を限定して業務への影響を抑える調整を行っています(ジョブ型人事指針)。
少なくとも、次の点はあらかじめ決めておきましょう。
- 異動時期の調整の範囲(引き継ぎ期間の目安など)
- 後任の確保に向けて人事が行う支援
- 同じ部署から同時に多数の異動が生じた場合の扱い
不合格者にも理由と今後の助言を伝える
社内公募制度では、応募者の全員が合格するわけではありません。不合格者の意欲を保つには、結果だけでなく、どのような経験やスキルが不足していたのか、今後どのように準備すればよいのかを伝えることが重要です。
千野(2025)が紹介する企業事例では、次のような運用が行われています。
- 面接を担当した現場のマネジャーが、不合格者にも社内システム上でフィードバックを行う
- 面接後に必ずフィードバックの場を設ける
ただし、フィードバックを現場任せにすると、実施の有無や内容に差が出ます。人事部門は、フィードバックが実際に行われているかを確認できる仕組みも用意しましょう。
異動後のフォローと効果の確認を行う
社内公募で異動した社員は、新しい職場に期待を持って移ります。期待が大きい分、仕事内容や上司の期待が想定と違うと感じたときの落胆も大きくなりがちです。
異動後は、受入部署の上司が期待する役割や目標を早い段階で伝えます。そのうえで、一定期間後に本人と面談し、状況を確認しましょう。
制度の効果は、次のような指標で定期的に確認します。
| 指標の例 | 確認する理由 |
|---|---|
| 公募件数・応募者数 | 制度が社内で活用されているかを把握する |
| 成立件数・成立率 | 募集要件と応募者が適合しているかを確認する |
| 不合格者へのフィードバック実施率 | 不合格者フォローが行われているかを確認する |
| 異動者の一定期間後の在籍状況 | 異動後の定着を確認する |
| 異動者・不合格者の意識調査の結果 | 意欲や納得感の変化を把握する |
| 送り出し部署の欠員補充までの期間 | 送り出し部署への影響を確認する |
指標の目安となる水準は、企業規模や制度の目的によって異なります。導入時点の数値を記録しておき、年ごとの変化を見ていくとよいでしょう。
導入・見直し前のチェックリスト
社内公募制度を導入する前、または見直す前に、次の項目を確認しましょう。
- 社内公募制度で実現したい目的を決めている
- 公募の対象とするポジションの範囲を決めている
- 募集要件の書式を決め、必須条件と歓迎条件を分けている
- 在籍期間などの応募資格と、応募時期を決めている
- 応募の事実を共有する相手と時期を決め、社員に周知している
- 応募情報の閲覧範囲と保管方法を決めている
- 送り出し部署との異動時期・後任確保の調整ルールを決めている
- 不合格者へのフィードバックの担当者と方法を決めている
- 異動後のフォロー面談の担当者と時期を決めている
- 効果を確認する指標と確認時期を決めている
社内公募の運用を支える人事情報を一元管理する
社内公募を運用すると、人事は多くの情報を確認する必要があります。
- 応募者の職務経歴、スキル、資格、評価の履歴
- 応募者のこれまでの異動履歴
- 募集部署と送り出し部署の組織構成・人員配置
- 異動成立後の組織図の変更
これらの情報が部署ごとの表計算ファイルや紙の書類に分散していると、確認に時間がかかるうえ、最新の情報かどうかの判断も難しくなります。応募情報は慎重な取り扱いが必要なため、閲覧できる人の範囲を管理できる状態も欠かせません。
サイレコで確認できる人事情報管理の機能
HRオートメーションシステム「サイレコ」は、組織人事の情報を蓄積し、経営情報としての活用を支援するクラウド型人事管理システムです。公式サイトの機能紹介では、次の機能が案内されています。
- 管理項目をカスタマイズできる従業員管理
- CSVファイルによる従業員情報の一括登録
- 組織構成を管理できる組織図
- 基準日を設定した組織構成の履歴検索
- 組織図を確認しながら行う人事異動シミュレーション、未来の組織図の作成
- 申請承認管理(ワークフロー)
社員の経歴や異動履歴、組織構成を一元的に確認できれば、応募者の確認や、異動成立後の組織構成の検討に役立ちます。
各機能の提供範囲や利用条件は、導入検討時に公式機能情報で確認してください。
社内公募制度のメリットに関するよくある質問
中小企業でも社内公募制度を導入できますか?
導入できます。ただし、部署やポストの数が少ない企業では、通年で募集してもポストが限られ、制度が活用されにくくなることがあります。
新規事業やプロジェクトのメンバー募集など、必要な時期に絞って公募する方法も検討しましょう。会社主導の配置や自己申告制度と組み合わせて運用することもできます。
社内公募に応募したことは、今の上司に伝わりますか?
会社のルール次第です。異動が正式に決まるまで上司に伝えない企業や、応募に上司の承認を不要とする企業があります。
社員が安心して応募できるよう、応募の事実を誰にいつ共有するのかを事前に決めて周知することが重要です。
応募資格に在籍年数の条件は必要ですか?
必須ではありません。入社後や前回の異動後1〜2年の在籍を条件とする企業がある一方、条件を設けない企業や、以前の条件を緩和した企業もあります。
配属先での習熟を重視するのか、挑戦の機会を広げることを重視するのか、制度の目的に応じて判断しましょう。
送り出し部署は社内公募による異動を拒否できますか?
制度設計で決める事項です。拒否を認めると応募者の不満につながりやすいため、拒否は認めずに異動時期や人数で調整する方法が考えられます。
いずれの場合も、ルールを事前に明文化し、管理職に周知しておくことが大切です。
社内公募制度と社内FA制度は、どちらを導入すべきですか?
目的によって異なります。
- 特定のポストや業務に必要な人材を集めたい場合:部署が募集する社内公募制度が適している
- 募集の有無にかかわらず社員の挑戦意欲を受け止めたい場合:社員が自らを売り込む社内FA制度が適している
両方を併用し、社員のキャリアの選択肢を広げている企業もあります。
まとめ:社内公募制度のメリットは運用設計で決まる
社内公募制度は、企業と社員の双方にメリットがある仕組みです。
- 企業:意欲と要件を備えた人材を社内から配置でき、人材の発見や社外流出の抑制につなげられる
- 社員:自分の意思で仕事を選び、キャリアの選択肢を社内で広げられる
一方で、送り出し部署の負担、不合格者の意欲低下、異動後のギャップといったデメリットも起こりえます。メリットを得るには、次の点をあらかじめ設計しておくことが重要です。
- 募集要件の具体的な公開
- 応募資格と応募時期
- 応募情報の取り扱い
- 送り出し部署との調整
- 不合格者へのフィードバック
- 異動後のフォロー
まずは制度の目的を明確にし、チェックリストを使って、自社で決めておくべきルールを確認するところから始めましょう。
社内公募を運用するには、応募者の経歴やスキル、異動履歴、組織構成を確認できる状態が欠かせません。人事情報が複数のファイルに分散している場合は、管理方法の見直しも検討しましょう。サイレコの人事情報管理機能を確認する
参考情報