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人事データ連携基盤は必要?複数システムをつなぐ設計・選定の判断ポイント

人事データ連携基盤は必要?複数システムをつなぐ設計・選定の判断ポイント

人事データ連携基盤は、複数の人事関連システムをつなぐ際の選択肢ですが、すべての企業に必要なわけではありません。まず、連携先の数、データの変換、反映期限、障害時の対応を整理し、既存機能や個別連携で足りるかを判断します。

この記事では、共通の連携基盤が必要になる条件と、導入前に決めるべき設計・選定項目を解説します。

人事データ連携基盤は、複数のシステム間でデータを受け渡す仕組み

人事データ連携基盤とは、人事管理、勤怠管理、給与計算、人事評価など、複数のシステム間でデータを受け渡す処理をまとめて管理する仕組みです。連携するデータの取得・変換・送信に加え、処理結果の確認やエラーへの対応を担う場合があります。

ここで区別したいのは、データを管理する場所データをつなぐ仕組みです。たとえば、従業員の所属情報を人事管理システムで管理し、その情報を勤怠管理システムへ渡す場合、人事管理システムは所属情報の管理元になり得ます。一方、連携基盤は、決められた条件に従って両システム間のデータを受け渡す役割を担います。

連携基盤を導入しても、元データの誤りが自動で正しくなるわけではありません。どの情報を正しい元データとして扱うか、誰が更新を承認するかを先に決める必要があります。

共通基盤が必要かは、接続数・データ変換・運用負担で判断する

「連携したいシステムがある」だけでは、共通基盤が必要とは判断できません。まずは、既存システムの入出力機能や個別の接続方法で、業務に必要な反映期限と作業量を満たせるか確認します。

判断項目個別連携を検討しやすい場合共通基盤を検討しやすい場合
接続先対象が少なく、連携経路を把握しやすい接続先が増え、経路ごとの管理が難しい
データ形式そのまま、または簡単な加工で受け渡せるシステムごとに項目名・コード・形式の変換が必要
更新月次など、担当者による確認を挟んでも間に合う複数の連携処理を決まった期限までに動かす必要がある
障害対応担当者が各経路の結果を確認できる処理状況やエラーをまとめて把握したい
変更対応接続先や項目の変更が少ないシステムの追加・入れ替えや仕様変更が見込まれる

この表は選定の目安です。共通基盤を使えば必ず作業が減る、という意味ではありません。基盤自体の設定、監視、保守にも費用と担当者が必要です。

個別連携で足りる場合

連携先が少なく、既存システムのCSV入出力や提供済みの接続機能で必要な業務を回せるなら、共通基盤を増やす前にその方法を検討できます。

たとえば、異動情報を月に一度確認して取り込む運用で期限に間に合い、担当者が取込結果を照合できる場合です。この場合も、入力漏れや取込エラーを誰が確認するかは決めておきます。

共通基盤を検討する場合

接続先が増え、同じ従業員情報を複数のシステムへ渡す場合や、連携先ごとにデータ形式を変える必要がある場合は、共通基盤を検討する余地があります。

特に、連携経路ごとに異なる担当者・処理手順・エラー通知があり、変更のたびに個別改修が発生するなら、経路をまとめて管理する利点を評価できます。ただし、対象システムとの接続方法や必要な変換に対応できるかは、候補製品ごとに確認が必要です。

基盤選定の前に、正本・従業員ID・更新時点を決める

連携基盤の製品を比較する前に、データの扱いを決めます。特に重要なのは次の三点です。

  1. 項目ごとの正本を決める。 所属、勤怠実績、給与計算結果などについて、どのシステムの情報を正しい元データとして扱うかを整理します。「人事システムをすべての正本にする」と一括で決めず、項目ごとに確認します。
  2. 同じ従業員を識別するIDを決める。 システム間で社員番号が異なる場合は、対応関係を管理します。氏名だけで照合すると、改姓や同姓同名による取り違えが起こり得ます。
  3. いつの情報を反映するか決める。 人事異動には、情報を登録した日と発令日が異なる場合があります。連携先の所属や承認者を、どの時点で切り替えるべきか明確にします。

併せて、各項目の入力者、承認者、誤りを見つけた際の修正担当を決めてください。基盤が処理できるのは、決められたルールに沿った受け渡しです。更新責任が曖昧なまま接続を増やすと、不一致の原因を追いにくくなります。

項目ごとの正本やIDの整理方法は、人事マスタの連携手順で詳しく確認できます。

比較では接続機能だけでなく、運用・費用・安全管理を確認する

候補を比べる際は、「接続できますか」だけで判断しないことが大切です。必要な業務が最後まで成立するか、次の項目を確認します。

確認項目提供会社に確認する内容
対応範囲送信元・送信先の製品、プラン、対象項目、取得・登録・更新の可否
データ変換社員番号、部署コード、日付形式、必須項目の違いを扱えるか
反映時点定期実行の間隔、反映期限、未来日付の異動の扱い
エラー対応失敗通知、原因の確認、再実行、重複登録の防止方法
履歴・照合処理結果を追えるか、送信件数と取込件数を照合できるか
権限・安全管理取得できる情報の範囲、認証情報の管理、操作・処理記録
費用初期設定、追加開発、接続先追加、利用料、監視・保守の費用
運用体制障害時の連絡先、仕様変更への対応、社内と提供会社の担当範囲

人事データに個人データが含まれる場合、必要な範囲にアクセスを限ることや、委託先での取扱いを確認することも重要です。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、個人データの安全管理措置と、取扱いを委託する場合の委託先の監督について示しています。どの措置が必要かは、扱うデータと委託内容に即して確認してください。

APIを候補にする場合も、APIが用意されているという情報だけでは十分ではありません。項目、操作、更新方向、利用制限などの確認方法は、人事システムのAPI連携の確認ポイントを参照してください。

人事データ連携基盤の選定は、小さな業務で検証して進める

最初からすべての人事データを対象にすると、必要条件や責任分担が曖昧になりがちです。まずは、二重入力や更新漏れが起きている業務を一つ選び、次の順で進めます。

  1. システムとデータを棚卸しする。 利用中の製品、保有する項目、更新担当者、現在の受け渡し方法を一覧にします。
  2. 一つの連携業務を要件にする。 たとえば「入社情報の再入力を減らす」と決め、送信元、送信先、必要項目、反映期限、承認の要否を書き出します。
  3. 個別連携と共通基盤を比較する。 既存機能で要件を満たせるか確認したうえで、共通基盤を使う場合の設定・監視・変更対応の費用も比べます。
  4. 双方の提供会社に仕様を確認する。 送信元から取得できても、送信先が必要な項目を登録・更新できなければ連携は成立しません。標準機能、オプション、外部サービス、個別開発のどれに当たるかも確認します。
  5. 正常時と異常時をテストする。 入社登録や未来日付の異動に加え、必須項目の欠落、通信失敗、再実行を試します。取込後の件数と内容を照合し、残る手作業を確かめます。
  6. 運用担当を確定する。 エラーの確認、データ修正、再実行、仕様変更の連絡を誰が担うか決めてから本番運用へ進みます。

検証には、利用可能な範囲で架空のテストデータを使い、必要のない個人データの持ち出しを避けてください。

まとめ:基盤の導入前に、必要な連携を一覧化する

人事データ連携基盤が必要かどうかは、接続先の数だけでは決まりません。データ変換、反映期限、エラー対応、変更時の負担、費用を含めて、個別連携と比較することが重要です。

まずは一つの業務について、**「どの情報を、どこからどこへ、いつまでに渡し、失敗したら誰が直すか」**を一覧にしてください。その内容が、共通基盤の要否と製品の対応範囲を判断する出発点になります。

サイレコの機能紹介では、従業員情報の管理、管理項目のカスタマイズ、CSVファイルによる情報の一括登録が案内されています。サイレコを人事情報の管理元として検討する場合は、サイレコの連携条件を問い合わせるから確認してください。

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