人事システムの導入体制には、意思決定者、プロジェクト責任者、人事業務担当、情報システム・セキュリティ担当、利用部門の代表、ベンダー窓口が必要です。
重要なのは人数をそろえることではなく、要件決定、データ移行、権限設定、試験運用、現場教育について「誰が実行し、誰が承認するか」を明確にすることです。
本記事では、人事システムの導入に必要な役割、社内チームを作る手順、よくある失敗を解説します。導入時だけでなく、本稼働後の運用まで見据えて体制を整えましょう。
人事システムの導入体制は「役割・責任・決定権」で設計する
人事システムの導入体制を作るときは、体制図に担当者の名前を並べるだけでは不十分です。各担当者について、次の4点を明確にする必要があります。
- 誰が作業を実行するか
- 誰が最終的に承認するか
- 判断に迷ったときに誰へ相談するか
- 決定事項を誰に共有するか
IPAの「ユーザのための要件定義ガイド」でも、体制図とあわせて、役割、責任範囲、権限を明確にした役割分担表を作ることが示されています。
たとえば、「データ移行は人事部が担当する」とだけ決めても、実務を円滑に進められるとは限りません。少なくとも、次の事項まで決める必要があります。
- 移行対象のデータを誰が選ぶか
- 元データを誰が整備するか
- システムへの登録作業を誰が行うか
- 移行結果を誰が照合するか
- 不一致があった場合に誰が修正を判断するか
- 本稼働の可否を誰が承認するか
また、人事システムは導入して終わりではありません。本稼働後も、従業員情報の更新、アカウントの追加・削除、アクセス権限の変更、問い合わせ対応、設定の見直しなどが発生します。
導入プロジェクトの段階から、導入後の運用責任者と引継ぎ方法まで決めておくことが重要です。
人事システムの導入体制に必要な6つの役割
人事システムの導入体制には、主に次の6つの役割が必要です。
| 役割 | 主な担当 | 主な責任 |
|---|---|---|
| 意思決定者 | 経営者、担当役員、人事責任者など | 目的、予算、対象範囲、重要な変更の承認 |
| プロジェクト責任者・事務局 | 人事部門の責任者、導入担当者など | 進捗、課題、会議、ベンダーとの調整 |
| 人事業務担当 | 人事・労務・評価などの実務担当者 | 業務要件、管理項目、データ内容の確認 |
| 情報システム・セキュリティ担当 | 情報システム部門、セキュリティ担当者 | 認証、権限、連携、安全管理の確認 |
| 利用部門の代表 | 部門管理者、承認者、一般利用者の代表 | 操作性、申請・承認フロー、現場運用の確認 |
| ベンダー窓口 | 社内窓口とサービス提供会社の担当者 | 設定、移行、問い合わせ、支援範囲の調整 |
企業規模や対象業務によっては、1人が複数の役割を兼任できます。ただし、担当者を兼任する場合も、役割そのものを省略してはいけません。
1.意思決定者は目的・予算・重要な変更を承認する
意思決定者は、人事システム導入の目的と優先順位を定め、予算や対象範囲を承認する役割です。経営者、担当役員、人事責任者などが該当します。
人事システムの導入では、部門によって要望が異なる場合があります。
人事部門は詳細な情報を蓄積したい一方、利用部門は入力項目を減らしたいと考えるかもしれません。情報システム部門から、認証方式や連携方法の見直しを求められることもあります。
すべての要望を採用すると、費用や作業量が増え、予定どおりに導入できなくなる可能性があります。そのため、意思決定者には、目的と優先順位に照らして採用する要件を判断する権限が必要です。
日常的な進捗管理まで担当する必要はありませんが、少なくとも次の事項は意思決定者が承認します。
- 導入目的と達成目標
- 対象となる会社、拠点、部門、業務
- 予算と導入時期
- 要件の優先順位
- 重大な仕様変更
- 本稼働の可否
名目上の責任者を置くだけでは、判断待ちによってプロジェクトが停滞します。意思決定者が確認する事項と回答期限も決めておきましょう。
2.プロジェクト責任者・事務局は全体の進行を管理する
プロジェクト責任者・事務局は、導入プロジェクト全体を取りまとめる役割です。
主な業務は次のとおりです。
- スケジュールと進捗の管理
- 課題、リスク、未決事項の記録
- 定例会議の運営
- 部門間の調整
- ベンダーとの連絡
- 決定事項と変更履歴の管理
- 意思決定者への報告
- 本稼働後の運用担当者への引継ぎ
プロジェクト責任者が、すべての設定やデータ整備を自分で行う必要はありません。重要なのは、作業の担当者と期限を決め、遅れや判断待ちを把握できる状態にすることです。
口頭やメールだけで調整すると、どの要件が確定し、何が未決定なのか分からなくなりがちです。課題管理表や決定事項一覧を用意し、変更理由も記録しておきましょう。
3.人事業務担当は業務要件とデータの正確性を担う
人事業務担当は、現在の業務を整理し、システムで実現したい運用を定める役割です。
対象業務に応じて、従業員情報、入退社、異動、組織、評価、申請承認、給与明細などの担当者を参加させます。
主な確認事項は次のとおりです。
- 現在の業務手順
- 使用しているExcel、紙、既存システム
- 従業員情報の管理項目
- 情報を更新するタイミング
- 各情報の正式な保存場所
- 閲覧・編集できる担当者
- 承認ルート
- 帳票や集計結果
- 移行するデータの範囲
- 移行後のデータが正しいか
特に重要なのが、どのデータを正式な情報として扱うかという「正本」の決定です。
同じ従業員情報が給与システム、勤怠システム、Excelなどに分散している場合、どの情報を基準に移行するか決めなければなりません。表記の揺れ、重複、欠損、更新漏れについても、システムへ登録する前に確認する必要があります。
ベンダーがデータ登録を支援する場合でも、その内容が人事上正しいかを最終判断するのは自社の人事業務担当です。
4.情報システム・セキュリティ担当は連携と安全性を確認する
人事システムは、氏名や住所だけでなく、所属、職歴、評価、給与に関する情報などを扱う場合があります。そのため、情報システム・セキュリティ担当者を早い段階から参加させることが重要です。
主な確認事項は次のとおりです。
- アカウントの登録・変更・削除方法
- ログインと認証の方法
- 閲覧・編集権限
- 管理者権限を付与する基準
- 退職、休職、異動時の権限変更
- 使用できる端末やネットワーク
- 既存システムとの連携方式
- データの入出力方法
- 障害や情報漏えい等が起きた場合の連絡先
- 委託先やサービス提供会社との責任分担
個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」では、個人データを扱う情報システムについて、アクセス制御、アクセス者の識別・認証、外部からの不正アクセス等の防止、システム利用に伴う漏えい等の防止といった技術的安全管理措置が示されています。
したがって、単に「セキュリティ機能があるか」を確認するだけでは不十分です。自社では誰にどの権限を付与し、いつ見直すのかという運用も決める必要があります。
具体的な対応は、取り扱う情報の内容、利用形態、企業の規程などによって異なります。法令上の判断が必要な場合は、個人情報保護委員会の公式情報や社内の法務担当者、必要に応じて弁護士などへ確認してください。
5.利用部門の代表は現場で運用できるかを検証する
人事システムを人事部門以外も使用する場合は、利用部門の代表者を導入体制に加えます。
たとえば、従業員本人が情報を更新する、上司が申請を承認する、評価者が評価結果を入力するといった運用です。
利用部門の代表には、次の点を確認してもらいます。
- 画面や入力項目が分かりやすいか
- 実際の業務手順と合っているか
- 申請先や承認者が適切か
- 繁忙期でも処理できるか
- 操作マニュアルに不足がないか
- 問い合わせ先が分かるか
- 現場へ周知する際に説明が必要な点は何か
本稼働直前になって初めて現場へ見せると、入力項目や承認ルートの見直しが発生する可能性があります。設定を確定する前に試験運用へ参加してもらい、意見の受付期限と採用基準も決めておきましょう。
6.ベンダー窓口は社内要件と支援範囲をつなぐ
ベンダー窓口は、自社の要件とサービス提供会社の担当者をつなぐ役割です。
ベンダーから導入支援を受けられる場合でも、支援範囲はサービスや契約プランによって異なります。契約前に、次の分担を確認しましょう。
- 管理項目や権限の設計
- 初期設定
- 元データの整理・修正
- データ登録・移行
- 移行結果の確認
- 外部システムとの連携設定
- 操作マニュアルの作成
- 管理者・従業員向け説明会
- 本稼働後の問い合わせ対応
- 設定変更
- 追加作業の費用
「導入支援あり」という案内だけで、自社側の作業がなくなるとは限りません。誰が何を、いつまでに準備するかを文書に残すことが大切です。
人事システムの導入体制を作る6つの手順
ここからは、導入体制を実務に落とし込む手順を解説します。
1.導入目的と対象業務を決める
最初に、人事システムを導入する目的と対象範囲を決めます。
目的が曖昧なままでは、必要な担当者も判断できません。たとえば、目的によって必要な関係者は次のように変わります。
- 従業員情報の一元管理:人事担当、給与・勤怠担当、情報システム担当
- 申請承認の電子化:人事担当、各部門の承認者、情報システム担当
- 人事評価の効率化:評価制度担当、評価者、部門管理者
- 組織図や異動情報の管理:人事企画担当、経営層、部門管理者
- 給与明細の電子化:給与担当、情報システム担当、従業員代表
対象となる会社、拠点、雇用区分、業務、利用者も明確にします。
目的は「DXを進める」といった抽象的な表現ではなく、「従業員情報の更新元を一本化する」「評価シートの配布・回収状況をシステムで管理する」など、導入後の状態が分かるように設定しましょう。
2.導入工程と必要な作業を洗い出す
次に、導入完了までに必要な作業を洗い出します。
一般的には、次のような工程があります。
- 現状業務の整理
- 導入要件の決定
- 候補システムの評価
- 契約条件と支援範囲の確認
- 管理項目・権限・ワークフローの設計
- データの整理と移行
- 外部システムとの連携確認
- 受入テスト
- マニュアル作成と利用者教育
- 本稼働の判定
- 本稼働後の問い合わせ対応
- 効果測定と運用改善
すべての企業が同じ工程になるわけではありません。利用する機能、移行データ、連携先、対象人数、社内規程などに合わせて調整してください。
3.作業ごとに実行者と承認者を明確にする
作業を洗い出したら、役割分担表を作ります。
最低限、次の項目を記載しましょう。
| 作業 | 実行担当 | 最終承認者 | 相談先 | 成果物・完了条件 |
| 導入目的の決定 | プロジェクト責任者 | 意思決定者 | 人事・各部門 | 目的と対象範囲の承認 |
| 管理項目の整理 | 人事業務担当 | 人事責任者 | ベンダー | 管理項目一覧の確定 |
| アクセス権限の設計 | 人事・IT担当 | セキュリティ責任者 | ベンダー | 権限一覧の承認 |
| 移行データの整備 | 人事業務担当 | 人事責任者 | IT担当 | 重複・欠損の確認完了 |
| 受入テスト | 人事・利用部門 | プロジェクト責任者 | ベンダー | テスト項目の合格 |
| 本稼働の判定 | プロジェクト責任者 | 意思決定者 | 各担当 | 未解決事項を踏まえた承認 |
| 運用引継ぎ | 導入担当 | 運用責任者 | ベンダー | 手順・権限・課題の引継ぎ |
実行担当者は複数でも構いませんが、最終承認者を増やしすぎると判断が進まなくなる可能性があります。作業ごとに、最終的な決定権を持つ担当者を明確にしましょう。
4.決定ルールと会議体を決める
導入プロジェクトでは、設定変更や要件の追加が発生することがあります。判断方法をあらかじめ決めていないと、会議を重ねても結論が出ません。
次の事項を決めておきましょう。
- 定例会議の参加者と開催頻度
- 会議前に共有する資料
- 決定事項の記録方法
- 担当者が判断できる範囲
- 責任者の承認が必要な事項
- 予算・納期に影響する変更の承認者
- 問題を上位責任者へ報告する基準
- 承認者が不在の場合の代理者
- 意見や変更要望の受付期限
会議の回数を増やすことが目的ではありません。未決事項について「誰が、いつまでに、何を根拠に決めるか」を管理することが大切です。
5.ベンダーの支援範囲と自社作業を分ける
ベンダーから支援を受ける場合は、支援内容を作業単位で確認します。
たとえば、データ移行支援に「データの登録」が含まれていても、元データの重複や誤りをベンダーが判断して修正するとは限りません。設定代行が含まれていても、自社の業務ルールや承認権限は社内で決める必要があります。
次の点を書面や打ち合わせ記録で確認しましょう。
- 支援対象となる作業
- 自社が用意するデータや資料
- 受け渡すデータの形式
- 設定・移行の実施回数
- 確認と承認を行う担当者
- 修正できる期間
- 追加料金が発生する条件
- 本稼働後の問い合わせ方法
- 支援期間の終了日
支援範囲と社内作業を対応させ、どちらの担当にもなっていない作業がないか確認します。
6.本稼働後の運用体制へ引き継ぐ
本稼働後は、導入プロジェクトの体制から日常運用の体制へ移行します。
少なくとも、次の運用責任者を決めてください。
- 従業員情報を更新する担当者
- 組織改編や異動情報を登録する担当者
- アカウントを追加・削除する担当者
- アクセス権限を承認・設定する担当者
- 利用者からの問い合わせを受ける担当者
- ベンダーへ問い合わせる担当者
- 障害や情報漏えい等の発生時に連絡する担当者
- 設定や運用ルールを見直す責任者
引継ぎ資料には、操作方法だけでなく、設定した理由、判断基準、未解決の課題も残します。
たとえば、「部門管理者には所属従業員の特定項目だけを表示する」という設定について、操作手順だけでなく、対象項目を決めた理由や変更時の承認者も記録しておくと、担当者が変わっても判断しやすくなります。
企業規模にかかわらず役割は省略せず、必要に応じて兼任する
導入体制に必要な役割と、必要な人数は同じではありません。
小規模企業では、6つの役割に対して6人を配置することが難しい場合があります。その場合は、1人が複数の役割を兼任しても構いません。
たとえば、次のような体制が考えられます。
| 役割 | 担当例 |
| 意思決定者 | 経営者または管理部門責任者 |
| プロジェクト責任者 | 人事責任者 |
| 人事業務担当 | 人事・労務担当者 |
| IT・セキュリティ担当 | 社内IT担当者または外部の支援先 |
| 利用部門の代表 | 部門管理者1~2人 |
| ベンダー窓口 | プロジェクト責任者が兼任 |
ただし、少人数だからといって、重要な設定を1人だけで決定・実施・確認する体制は避けたほうがよいでしょう。
特に、管理者権限の付与、個人データの出力、移行結果の確認、本稼働の判定などは、可能な範囲で実行者と承認者を分けます。分けることが難しい場合でも、経営者や責任者による確認記録を残す方法があります。
大規模企業やグループ企業では、給与、勤怠、評価、採用、ID管理などのシステムとの関係も複雑になります。人事部門内だけでなく、情報システム、法務、経理、各社人事、利用部門など、影響を受ける関係者を工程ごとに参加させる必要があります。
導入工程によって中心となる担当者を切り替える
導入期間中、すべての担当者が同じ頻度で会議や作業へ参加する必要はありません。工程に応じて、中心となる担当者を切り替えます。
企画・選定では意思決定者と人事部門が中心になる
企画・選定段階では、意思決定者、プロジェクト責任者、人事業務担当が中心です。
次の事項を決定します。
- 導入目的
- 対象範囲
- 解決する課題
- 必要な機能
- 予算
- 導入時期
- 製品の評価基準
情報システム・セキュリティ担当にも参加してもらい、認証、連携、端末、セキュリティなどの条件を選定要件へ反映します。
設定・移行・テストでは実務担当とIT担当が中心になる
設定・移行段階では、人事業務担当、情報システム担当、ベンダー窓口の作業が増えます。
管理項目、組織、権限、ワークフローなどを設定し、データの整備と移行、外部連携、受入テストを進めます。
移行件数が合っているだけでは、データ移行が正しいとは限りません。従業員、所属、日付、履歴などについて、業務上の内容が正しいかを人事担当者が確認します。
本稼働前後は利用部門と運用責任者の関与を増やす
本稼働前後は、利用部門の代表者と運用責任者の関与を増やします。
- 実際の利用者による操作確認
- マニュアルや説明資料の確認
- 従業員への周知
- 問い合わせ対応の準備
- 不具合や要望の受付
- 導入担当者から運用担当者への引継ぎ
全社一斉に利用を開始する場合は、問い合わせが集中する可能性もあります。本稼働直後の問い合わせ先、対応時間、ベンダーへの連絡基準を決めておきましょう。
人事システムの導入体制で起こりやすい5つの失敗
1.意思決定者が名目だけで重要事項を決められない
責任者の名前は決まっていても、会議に参加しない、回答期限がない、どこまで承認できるか不明という状態では、プロジェクトが進みません。
重要事項、承認期限、代理承認者を決め、判断に必要な情報を簡潔に提示できる報告方法を整えましょう。
2.人事部門だけで進め、連携やセキュリティの確認が遅れる
人事部門だけで製品選定や設定を進めると、契約直前や本稼働前になって、既存システムとの連携、認証方式、端末制限、権限管理などの問題が見つかることがあります。
情報システム・セキュリティ担当には、候補製品を絞り込む前から参加してもらうことが重要です。
3.ベンダーに目的やデータ品質の判断まで任せる
ベンダーは製品の設定や導入を支援できますが、自社の人事制度や業務上の正しいデータを代わりに決定できるわけではありません。
どの情報を管理し、誰が閲覧し、どのデータを正式なものとするかは、自社が判断します。ベンダーへ依頼する作業と、社内で承認する事項を区別しましょう。
4.利用部門が試験運用に参加していない
人事部門のテストだけで本稼働すると、現場では承認者が違う、入力方法が分からない、必要な項目を確認できないといった問題が起こる可能性があります。
実際の利用者に近い担当者が試験運用へ参加し、代表的な業務を最初から最後まで処理できるか確認します。
5.導入担当者から運用担当者への引継ぎがない
導入担当者だけが設定理由やベンダーとの協議内容を把握していると、担当者の異動や退職後に運用を変更できなくなります。
操作マニュアルに加えて、権限の設定基準、データ更新ルール、問い合わせ履歴、未解決課題、ベンダーへの連絡先を引き継ぎましょう。
人事システムの導入前に体制を確認するチェックリスト
本格的な設定やデータ移行を始める前に、次の項目を確認してください。
目的・対象範囲
- 導入目的を具体的に説明できる
- 対象となる会社、拠点、部門、雇用区分を決めている
- 対象業務と対象外業務を分けている
- 本稼働の予定日を決めている
役割と意思決定
- 意思決定者を決めている
- プロジェクト責任者を決めている
- 各作業の実行担当者と承認者を決めている
- 仕様変更や追加費用の承認ルールがある
- 各担当者が必要な作業時間を確保できる
- 利用部門の代表者が参加している
データ・システム連携
- 移行対象のデータを決めている
- 各データの正式な保存場所を決めている
- 重複、欠損、表記揺れを確認する担当者がいる
- 移行後のデータを照合する担当者がいる
- 既存システムとの連携方式と担当者を確認している
権限・セキュリティ
- 閲覧・編集権限の基準を決めている
- 管理者権限を付与する責任者を決めている
- 入社、異動、休職、退職時の権限変更手順がある
- インシデント発生時の連絡先を決めている
- 自社のセキュリティ規程との整合性を確認している
試験運用・本稼働後
- 受入テストの項目と合格条件を決めている
- 利用者向けのマニュアルや説明方法を決めている
- 本稼働の承認者を決めている
- 本稼働後の問い合わせ先を決めている
- 導入担当者から運用担当者への引継ぎを予定している
- 導入後の効果と運用ルールを見直す時期を決めている
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- 申し込み
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- 初期設定
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これらの機能を利用する場合も、「誰にどの権限を付与するか」「権限をいつ見直すか」は自社で決める必要があります。システムのセキュリティ機能と、自社の安全管理体制を組み合わせて運用しましょう。
人事システムの導入体制に関するFAQ
導入責任者は人事部門と情報システム部門のどちらに置くべきですか
人事業務の改善を目的とする場合は、人事部門を主管とし、情報システム部門が連携・セキュリティ面を支援する体制が考えられます。
ただし、全社的な基幹システムの刷新や多数のシステム連携を含む場合は、情報システム部門がプロジェクト管理を担うこともあります。部門名だけで決めず、導入目的、対象範囲、業務上の責任に合わせて判断してください。
小規模企業でも6人の担当者が必要ですか
必ずしも6人必要ではありません。1人が複数の役割を兼任できます。
ただし、意思決定、実務、データ確認、セキュリティ確認、利用者の意見収集、ベンダーとの調整という役割自体は必要です。兼任する場合も、それぞれの責任と承認ルートを明文化しましょう。
ベンダーの導入支援があれば社内体制は不要ですか
ベンダーの導入支援があっても、社内体制は必要です。
ベンダーは設定やデータ登録などを支援できますが、導入目的、人事上の業務ルール、データの正しさ、アクセス権限、本稼働の可否は自社で判断します。契約前に、ベンダーの支援範囲と自社が担当する作業を分けてください。
まとめ:導入時だけでなく運用まで責任者を決める
人事システムの導入体制では、少なくとも次の役割を明確にします。
- 意思決定者
- プロジェクト責任者・事務局
- 人事業務担当
- 情報システム・セキュリティ担当
- 利用部門の代表
- ベンダー窓口
企業規模によって担当者の兼任は可能ですが、役割、責任、決定権を曖昧にしてはいけません。導入工程ごとに実行担当者と最終承認者を決め、本稼働後のデータ更新、権限管理、問い合わせ、運用改善まで引き継げる体制を作りましょう。
人事システムの導入体制と社内の役割を整理したら、候補システムが対応できる範囲と導入支援の内容を確認する段階です。
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