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DXコンサルティングとは?依頼できる内容や費用、会社の選び方を解説

DXの必要性は感じているものの、「何から着手すべきか分からない」「社内にデジタル人材がいない」「システムを導入しても現場に定着しない」と悩む企業は少なくありません。こうした課題の整理から戦略策定、システム選定、業務改革、導入後の定着までを支援するのがDXコンサルティングです。

ただし、コンサルティング会社によって、得意分野や支援範囲、費用、プロジェクトへの関わり方は異なります。目的が曖昧なまま依頼すると、提案書やシステムだけが残り、期待した成果につながらない可能性もあります。

本記事では、DXコンサルティングの意味や支援内容、メリット・デメリット、費用の考え方、選び方を解説します。外部へ依頼すべき企業と、自社主導で進められる企業の違いも整理するため、自社に合ったDX推進方法を検討する際にお役立てください。

DXコンサルティングとは

DXコンサルティングとは、企業がデータやデジタル技術を活用して、経営や業務、組織を変革する取り組みを外部の専門家が支援するサービスです。経済産業省はDXを、単なるシステム導入ではなく、企業価値の向上や競争力の強化につなげる経営上の取り組みとして位置づけています。そのため、DXコンサルティングでは、ITツールの選定だけでなく、経営課題の整理、業務プロセスの見直し、組織体制の整備、人材育成、データ活用などを幅広く支援します。

DXコンサルティングの意味

DXコンサルティングの役割は、企業が抱える経営課題とデジタル技術を結び付け、変革の方向性を具体化することです。主な支援内容には、現状分析、DX戦略やロードマップの策定、業務改革、システム導入、導入後の運用・定着支援などがあります。

DXの目的は、ツールを導入すること自体ではありません。企業によって、売上向上、生産性向上、新規事業の創出、意思決定の迅速化・高度化など、目指す成果は異なります。自社の経営課題を起点に、デジタル技術をどのように活用するかを考えることが重要です。

ITコンサルティングとの違い

ITコンサルティングは、IT戦略の策定や既存システムの見直し、システム構成の最適化など、IT領域の課題解決を中心に支援するサービスです。一方、DXコンサルティングは、IT領域に加えて、経営戦略、業務プロセス、組織文化、人材配置などの変革まで対象とする傾向があります。

ただし、実際には両者の支援領域が重なる場合も少なくありません。「DXコンサルティング」「ITコンサルティング」という名称だけで判断せず、課題分析から実行・定着まで、どの範囲を支援してもらえるのかを確認しましょう。

システム開発会社との違い

システム開発会社は、企業が提示した要件に基づき、システムの設計・開発・導入を行うことが中心です。これに対してDXコンサルティングは、システムを導入する前の段階から関わり、経営課題や業務上の問題を整理したうえで、必要な施策やシステムを検討します。

なかには、コンサルティングからシステム開発、導入後の運用までを一貫して提供する会社もあります。自社に必要なのが、解決すべき課題や方針を整理する支援なのか、要件が決まったシステムの開発なのかを見極め、依頼先を選ぶことが大切です。

DXコンサルティングが必要とされる背景

DXコンサルティングが必要とされる背景には、社内の人材や知識だけでは、経営戦略、デジタル技術、業務改革、組織変革を横断して進めることが難しいという事情があります。IPAの「DX動向2025」では、日本企業のDX推進人材について、「やや不足している」「大幅に不足している」と回答した企業の合計が85.1%に達しています。DXを進めたいと考えていても、専門人材や推進体制が整わず、具体的な施策へ移れない企業は少なくありません。

DXを推進できる人材が不足している

DXの推進には、経営課題とITの両方を理解し、両者を結び付けられる人材が必要です。さらに、データ分析、AI、セキュリティ、業務改革、プロジェクト管理など、求められる専門領域は幅広く、一人の担当者だけですべてを担うことは容易ではありません。

既存の担当者が通常業務とDXプロジェクトを兼務している場合、検討や実行に十分な時間を確保できないこともあります。新たな人材の採用や社内育成には時間がかかるため、外部コンサルタントの知見を活用しながら、社内のDX人材を育成する方法も有効です。

部門ごとにシステムやデータが分散している

各部門が個別の課題を解決するためにシステムを導入した結果、システム同士が連携せず、データが分断されている企業もあります。加えて、Excelや紙による管理が残り、同じ情報を複数のシステムへ入力しているケースも少なくありません。

データの保管場所や更新ルールが統一されていないと、どの情報が最新なのか判断しにくくなります。その結果、全社横断でのデータ分析や迅速な意思決定が難しくなるため、外部の視点を取り入れてシステムや業務を整理する必要性が高まっています。

システム導入だけでは変革につながらない

DXは、新しいシステムを導入すれば完了するものではありません。例えば、紙の書類をPDFに置き換えるだけでは、承認手順や情報共有の方法が変わらず、従来の非効率な業務プロセスが残る可能性があります。既存業務を見直さず、そのままシステム化した場合も同様です。

また、導入後の運用ルールや従業員への教育が不足すると、システムが利用されず、現場に定着しないことがあります。DXを成果につなげるには、経営層と現場で目的を共有し、デジタル化、業務改革、組織変革を段階的に進めることが重要です。

DXコンサルティングの主な支援内容

DXコンサルティングの支援内容は、現状分析や戦略策定だけでなく、業務改善、システム選定、データ活用、人材育成など多岐にわたります。ただし、対応できる範囲や得意分野は支援会社によって異なります。依頼先を選ぶ際は、サービス名だけでなく、自社が必要とする工程まで支援してもらえるかを確認することが大切です。

DX戦略・ロードマップの策定

DX戦略の策定では、経営戦略や中期経営計画を踏まえ、デジタル技術によって解決すべき経営課題を整理します。目指す姿と現状の差を分析し、取り組む施策の優先順位、予算、スケジュールを具体化することが主な支援内容です。

あわせて、施策の進捗や成果を確認するためのKPI・KGIを設定します。経営会議や社内稟議で使用する計画書、投資対効果を説明する資料などの作成を支援する場合もあります。

業務プロセスの可視化・改善

業務改善では、現場へのヒアリングや業務フローの棚卸しを行い、重複作業、待ち時間、手入力、属人化などの課題を特定します。そのうえで、BPR(業務プロセス改革)の考え方に基づき、既存業務を抜本的に見直します。

業務を単にシステムへ置き換えるのではなく、廃止する業務、統合する業務、標準化する業務、自動化する業務を切り分けることが重要です。効率化だけでなく、内部統制の強化や顧客・従業員へ提供する価値も考慮しながら再設計します。

ITシステム・クラウドサービスの選定

システム選定支援では、業務課題や利用目的をもとに要件を定義し、複数の製品やベンダーを比較します。既存システムとの連携可否に加え、セキュリティ、操作性、拡張性、導入費用、運用費用などを総合的に評価します。

本格導入前にPoCや無料トライアルを実施し、実際の業務に適合するかを検証する場合もあります。ただし、支援会社が特定の製品やベンダーと提携していることもあるため、製品ありきの提案になっていないか確認が必要です。

データ活用・AI導入の支援

データ活用の支援では、社内にどのようなデータがあり、どこに保管され、どのような形式で管理されているかを確認します。データの重複や欠損、表記揺れなどを整理し、データ基盤やマスターデータを整備することも重要な工程です。

整備したデータは、BIツールによる可視化や、AI・生成AIを活用した分析、自動化などにつなげます。一方で、個人情報、機密情報、著作権などへの配慮も欠かせません。最新技術を導入することを先行させず、どの経営課題や業務課題を解決するのかを明確にする必要があります。

DX人材育成・組織づくり

DXを継続的に進めるには、外部の専門家へ依存するだけでなく、自社内に知識や経験を蓄積することが必要です。DXコンサルティングでは、DX推進チームの役割設計や、経営層、管理職、現場従業員を対象とした研修を支援することがあります。

そのほか、プロジェクトマネジメント、現場への説明、関係部門との合意形成、導入後の運用ルール策定なども支援対象です。将来的な内製化を見据え、社内担当者が自ら施策を検討・改善できる体制を整えることが、DXを定着させるポイントとなります。

DXコンサルティングを利用するメリット・デメリット

DXコンサルティングを活用すると、専門知識や外部の知見を取り入れながらDXを推進できる一方で、費用や運用面で注意すべき点もあります。導入を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、自社に必要な支援範囲を見極めることが重要です。

DXコンサルティングを利用するメリット

DXコンサルティングの大きなメリットは、自社だけでは得にくい専門知識や実績を活用できることです。多くの企業の支援経験を持つコンサルタントは、他社事例や業界動向を踏まえながら、自社に適した改善策を提案できます。

また、社内の利害関係から距離を置いた立場で客観的な分析ができるため、部署間で意見が分かれる課題も整理しやすくなります。経営層と現場の橋渡し役としてプロジェクトを進められることも、外部支援ならではの強みです。

さらに、システム導入前に業務課題を整理し、優先順位を明確にすることで、導入後の手戻りや運用上の問題を減らしやすくなります。プロジェクトの進行速度を高め、DX推進の失敗リスクを抑えられる可能性があることもメリットの一つです。

DXコンサルティングを利用するデメリット

一方で、DXコンサルティングには費用が発生するため、投資対効果を十分に検討する必要があります。また、コンサルタントが自社の業務や組織文化を理解するまでには一定の時間がかかることもあります。

担当するコンサルタントの経験や専門性によって提案内容や支援品質に差が生じる可能性があり、自社の実情に合わない施策が提案されるケースもあります。さらに、プロジェクトを外部へ任せきりにすると、ノウハウが社内へ蓄積されず、契約終了後に改善活動が止まってしまう恐れもあります。そのため、支援を受けながら社内人材を育成し、運用を内製化する視点も重要です。

コンサルティングが向いている企業

DXコンサルティングは、DXの目的や優先順位を整理できていない企業や、全社を横断する大規模な業務改革を進める企業に適しています。基幹システムの刷新や複数システム・データの統合など、影響範囲が広いプロジェクトでは、専門家による支援が役立つ場面も少なくありません。

また、経営層と現場の調整が難しい場合や、DX推進人材やプロジェクト責任者が不足している企業でも、外部コンサルタントがプロジェクト管理や合意形成を支援することで、取り組みを進めやすくなります。

自社主導でも進めやすい企業

一方で、すべての企業がDXコンサルティングを必要とするわけではありません。解決したい課題が明確で、対象業務が限定されている場合は、自社主導で進められるケースもあります。

例えば、クラウドサービスの標準機能で対応できる業務改善や、小規模なPoC(概念実証)から始める取り組みであれば、社内の業務責任者とIT担当者を中心に進めることも可能です。製品ベンダーの導入支援やカスタマーサクセスを活用することで、外部コンサルティングを利用せずにDXを推進できる場合もあります。

DXコンサルティングの費用と契約形態

DXコンサルティングの費用は、支援内容や期間、企業規模、担当するコンサルタントの体制によって大きく異なります。そのため、「相場はいくら」と一律に判断することはできません。費用だけで比較するのではなく、どのような成果が期待できるのか、契約内容や費用対効果を総合的に確認することが重要です。

主な契約形態

DXコンサルティングには、目的に応じてさまざまな契約形態があります。一定期間で成果物を作成するプロジェクト型、継続的に相談できる月額の顧問・伴走支援型、作業時間に応じて費用が発生する時間単価型などが代表的です。

契約方式も、業務支援を行う準委任契約、成果物の納品を前提とする請負契約、成果に応じて報酬が決まる成果報酬型などがあります。また、戦略策定と実行支援を別々に契約するケースもあり、自社の状況に応じて選択することが大切です。

費用を左右する要素

費用は、支援する部門や業務範囲、プロジェクト期間、コンサルタントの人数や役職によって変動します。現状調査やヒアリングの規模が大きいほど、工数も増える傾向があります。

さらに、システム開発やデータ移行を含むかどうか、PoCや研修を実施するか、常駐支援かオンライン支援かなども費用に影響します。見積書を見る際は、システム利用料や開発費が別途発生するかも確認しておきましょう。

見積もりで確認するポイント

見積書では、成果物の内容や契約範囲が具体的に定義されているかを確認することが重要です。どこまでが支援対象なのか、追加費用が発生する条件、自社側で必要となる担当者や工数も把握しておきましょう。

また、システム導入費用が含まれているか、契約終了後のサポート体制、成果物や資料の知的財産権・利用条件なども確認しておくと安心です。比較する際は、複数社へ同じ条件で見積もりを依頼し、支援内容を含めて総合的に判断しましょう。

費用対効果の測り方

DXコンサルティングの効果は、費用だけで判断するのではなく、導入前後でどのような改善が得られたかを確認することが重要です。例えば、削減できた作業時間や残業時間、入力・転記ミスの減少、業務リードタイムの短縮、システム維持費の削減などは代表的な指標です。

そのほか、従業員のシステム利用率や売上、顧客満足度、意思決定までに要する時間なども評価対象になります。投資回収期間だけでなく、業務品質の向上や属人化の解消、従業員満足度の向上といった定性的な効果も含めて、総合的に費用対効果を判断しましょう。

DXコンサルティング会社の選び方

DXコンサルティング会社を選ぶ際は、知名度や実績数だけで判断するのではなく、自社の課題や目的に合った支援を受けられるかを確認することが重要です。会社ごとに得意分野や支援範囲は異なるため、提案内容や支援体制を比較しながら、自社に適したパートナーを選びましょう。

自社の業界・業務に関する実績があるか

まず確認したいのが、自社と同じ業界や同規模の企業を支援した実績があるかです。業界特有の業務や法規制を理解している会社であれば、課題を把握しやすく、より実践的な提案が期待できます。また、経営戦略、営業、製造、人事、経理など、自社が改善したい領域を得意としているかも重要な判断材料です。

導入社数だけで判断するのではなく、どのような課題をどのような方法で解決したのか、成果やプロセスが公開されているかも確認しましょう。守秘義務により企業名を公表できない場合でも、匿名事例や支援内容をどこまで説明できるかを確認すると、支援のイメージを持ちやすくなります。

戦略策定から実行・定着まで支援できるか

DXは、提案書やロードマップを作成して終わるものではありません。システム選定や導入、現場への教育、運用開始後の改善まで、一貫して支援できるかを確認しましょう。

現場の業務改善に入り込めるか、プロジェクト管理を支援できるか、導入後のKPI測定や改善活動まで対応できるかも重要です。一方で、自社で対応できる工程まで依頼する必要はありません。必要な範囲だけ柔軟に支援を受けられるかも比較ポイントになります。

特定の製品やベンダーに偏っていないか

コンサルティング会社の中には、特定の製品やベンダーと提携しているケースもあります。そのため、中立的な立場で製品比較を行っているかを確認することが大切です。

販売手数料やパートナー契約の有無、自社開発製品の導入を前提としていないかも確認しましょう。また、オンプレミスとクラウドを公平に比較し、既存システムを活用する選択肢も提示できる会社であれば、自社に最適な提案を受けやすくなります。

担当者との相性やコミュニケーションを確認する

DXプロジェクトは長期間にわたることも多いため、担当者とのコミュニケーションも重要です。提案時の担当者と、実際にプロジェクトを支援する担当者が同じかどうかを確認しておきましょう。

専門用語を分かりやすく説明できるか、現場の意見を丁寧に聞く姿勢があるか、課題を決め付けずに質問しながら整理してくれるかも重要なポイントです。あわせて、定例会の実施方法や報告頻度、問題発生時のエスカレーション体制も確認すると安心です。

社内へ知識を移転する仕組みがあるか

DXを継続的に推進するためには、外部へ依存し続けるのではなく、自社に知識やノウハウを蓄積することが重要です。マニュアルや設計書が残るか、社内担当者向けの研修があるか、プロジェクトへ共同参加できるかなどを確認しましょう。

また、施策を選んだ判断の根拠や改善の進め方を共有してもらえるかも大切です。契約終了後も自社で改善を続けられるよう、内製化を前提とした支援を提供している会社であれば、長期的なDX推進につながりやすくなります。

DXコンサルティングでよくある失敗と対策

DXコンサルティングを導入しても、期待した成果が得られないケースがあります。その多くは、システムやコンサルティングそのものではなく、プロジェクトの進め方に原因があります。よくある失敗例を把握し、事前に対策を講じることが重要です。

DXの目的が曖昧なまま依頼する

「何かデジタル化したい」という漠然とした状態では、プロジェクトの成果を評価できません。まずは、経営課題とDXの目的を結び付けることが重要です。

例えば、コスト削減、売上向上、顧客体験の改善、データ活用の高度化など、目指す成果を具体化し、解決したい課題へ優先順位を付けましょう。目的が明確になれば、必要な施策やシステムも選びやすくなります。

コンサルタントへ丸投げする

DXコンサルティングは、あくまで支援サービスです。自社の業務内容や組織文化を最も理解しているのは社内担当者であり、意思決定まで外部へ任せることは適切ではありません。

プロジェクトには経営層、現場、IT部門が参加し、社内責任者を明確にすることが重要です。定例会では進捗状況だけでなく、判断が必要な事項や課題を共有しながら進めることで、主体的にDXを推進できます。

システム導入をゴールにする

システムを導入しただけではDXは成功したとはいえません。導入件数や機能数だけで評価するのではなく、業務時間の短縮、利用率、データ品質などの成果指標を測定する必要があります。

また、導入後の業務フローを設計し、不要な業務や承認工程を見直すことも重要です。運用開始後も改善を継続し、現場の意見を反映しながら最適化を進めましょう。

現場を巻き込まずに進める

現場への説明や意見収集が不足すると、利用者の入力負担が増えたり、実際の業務とシステムが合わなかったりする可能性があります。その結果、システムが利用されず、DXが定着しない原因になります。

導入目的を現場へ丁寧に説明し、早い段階からヒアリングを実施することが重要です。一部門で試験導入して課題を把握してから全社展開する方法も有効です。あわせて、問い合わせ窓口や教育体制を整えることで、運用を定着させやすくなります。

成果を測るKPIが設定されていない

DXの成果を正しく評価するには、導入前の数値を記録し、導入後と比較できる状態を整えることが重要です。作業時間やコストなどの定量的な指標だけでなく、従業員満足度や業務品質など定性的な評価も取り入れましょう。

また、短期・中期・長期でKPIを分けることで、改善状況を継続的に確認できます。数値が改善しない場合は原因を分析し、施策を継続するのか、修正するのか、中止するのかを判断する基準もあらかじめ決めておくことが大切です。

DXコンサルティングを活用してDXを進める手順

DXコンサルティングを活用する際は、すぐにシステム選定や導入へ進むのではなく、経営課題の整理から段階的に取り組むことが重要です。経済産業省とIPAが提供する「DX推進指標」は、経営層、事業部門、DX・IT部門が自社の現状と目標を共有し、次に取り組むべき行動を検討するための自己診断ツールです。2026年2月には、デジタルガバナンス・コード3.0に基づく内容へ改訂されています。こうした公的な指標も活用しながら、自社の状況に合った手順で進めましょう。

DXの目的と経営課題を整理する

最初に、経営戦略や事業戦略を確認し、DXによって解決したい課題を言語化します。例えば、業務コストの削減、意思決定の迅速化、顧客体験の向上、人材不足への対応など、企業によって優先すべき課題は異なります。

DX推進指標などを用いて現状を診断し、経営層と現場の認識を合わせることも重要です。そのうえで、戦略策定、業務改善、システム選定、プロジェクト管理など、コンサルティング会社へ依頼する目的と範囲を明確にします。

業務とシステムの現状を可視化する

次に、現在の業務フローや使用しているシステム、Excel・紙による管理状況を整理します。データがどこに保管されているか、各作業にどれだけ時間がかかっているか、誰が担当しているかも確認しましょう。

特定の担当者に依存している業務や、入力ミス、確認漏れ、手戻りが多い業務を洗い出すことで、優先的に改善すべき領域が見えてきます。コンサルタントへ相談する際も、現状を可視化しておくことで、より具体的な提案を受けやすくなります。

優先順位を決めて小さく始める

DXは、すべての部門や業務を一度に変える必要はありません。期待できる効果と実現可能性の両面から優先順位を付け、一部門や一業務を対象に小さく始めることが有効です。

例えば、短期間で成果を確認できる業務を選び、PoC(概念実証)や試験導入を行います。効果や課題を検証したうえで改善し、成功例を社内で共有しながら対象範囲を広げることで、現場の理解を得やすくなります。

複数の支援会社を比較する

DXコンサルティング会社を選ぶ際は、複数社へ同じ課題と依頼範囲を伝え、提案を比較しましょう。確認する項目には、提案内容、支援体制、同業界での実績、費用、成果物、契約条件、内製化支援の有無などがあります。

会社としての実績だけでなく、実際に担当するコンサルタントの専門性や経験も重要です。可能であれば契約前に担当予定者と面談し、コミュニケーションの取りやすさや、自社の業務を理解しようとする姿勢を確認しましょう。

KPIを測定して継続的に改善する

DX施策の実施後は、導入前後の数値を比較し、定例的にKPIを確認します。作業時間、ミスの発生件数、利用率、コストなどの数値に加え、現場からの意見や使いやすさに関する評価も収集しましょう。

期待した効果が得られない場合は、業務フローやシステム設定、運用ルールを見直します。成果を確認しながら新たな課題へ段階的に対象を広げることも重要です。また、コンサルティング終了後も改善を継続できるよう、社内の運用責任者をあらかじめ決めておきましょう。

人事領域のDXは人事管理システムでも進められる

すべてのDXに、大規模なコンサルティングが必要なわけではありません。解決したい課題が明確で、クラウドサービスの標準機能で対応できる場合は、自社主導で段階的にDXを進める方法もあります。特に、人事情報の分散や定型業務の非効率が課題となっている場合は、人事管理システムの導入が有効な選択肢です。

人事DXでよくある課題

人事部門では、従業員情報がExcelや紙、複数のシステムに分散しているケースが少なくありません。同じ情報を何度も入力したり、入社・退職、住所変更などの手続きを手作業で行ったりすると、人事担当者の負担が増え、入力ミスや更新漏れも発生しやすくなります。

また、評価結果の回収や集計に時間がかかる、過去の異動履歴を確認できない、組織図の更新が特定の担当者に依存しているといった課題もあります。スキル、資格、経歴などの情報を蓄積していても、人材配置や育成に活用できず、定型業務に多くの時間を取られている企業もあります。

人事管理システムで一元化できる情報

人事管理システムを活用すると、従業員の基本情報や雇用契約情報、所属、役職などを一か所に集約できます。評価履歴、スキル、資格、適性検査結果、異動履歴、キャリア希望といった人材情報もあわせて管理することで、必要な情報を検索・確認しやすくなります。

さらに、組織図や申請・承認履歴を人事情報と関連付けて管理すれば、組織変更への対応や申請業務の効率化にもつなげられます。ただし、管理できる情報や機能は製品によって異なるため、自社に必要な範囲を整理して選ぶことが重要です。

サイレコで人事DXの基盤を整える

サイレコは、株式会社アクティブ アンド カンパニーが提供するクラウド型の人事管理システムです。紙やExcelに分散しやすい従業員情報を一元管理し、入社手続き、従業員情報の更新、申請承認、給与明細発行などの電子化を支援します。

評価履歴、スキル、適性検査結果などの人材情報を蓄積し、組織図の作成や異動シミュレーションに活用できる点も特徴です。定型業務の効率化だけでなく、蓄積したデータを人材配置や育成の検討につなげることで、戦略的な人事施策を進めやすくなります。

一方で、人事管理システムを選ぶ際は、自社の課題、必要な機能、既存システムとの連携、現場の操作性などを確認することが欠かせません。導入後の運用を具体的に想定し、資料や無料体験を通じて、自社の業務に適しているかを検討しましょう。

人事情報の分散や組織図更新、申請業務の非効率が課題となっている場合は、クラウド型人事管理システムの活用も選択肢です。サイレコでは、従業員情報の一元管理や申請業務の電子化、評価・スキル・異動履歴の蓄積、組織図作成などを支援しています。自社の運用に合うか、資料や無料体験で確認してみてください。

まとめ

DXコンサルティングは、単にシステムを導入するための支援ではなく、経営課題の整理から業務改革、組織づくり、人材育成、データ活用までを含めて企業のDXを支援するサービスです。一方で、すべての企業が大規模なコンサルティングを必要とするわけではありません。自社の課題や目的、社内体制を整理したうえで、必要な支援範囲を見極めることが重要です。

また、DXを成功させるためには、システム導入をゴールにせず、現状の業務を可視化し、KPIを設定しながら継続的に改善を進める姿勢が欠かせません。経営層と現場が共通の目標を持ち、小さな成果を積み重ねながら取り組むことで、DXは企業の競争力向上や生産性向上につながります。

人事領域のDXを検討している場合は、人事管理システムの導入から始める方法も有効です。サイレコでは、従業員情報の一元管理や申請業務の電子化、評価・スキル・異動履歴の蓄積、組織図の可視化などを支援しています。自社の課題や運用に合うかどうか、資料請求や無料体験を活用しながら比較・検討してみてはいかがでしょうか。

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