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人事台帳とは?必要項目・保存期間とExcelやシステムで管理する方法

人事台帳は、従業員の氏名や住所、入社日、所属、異動履歴などを管理するための帳簿・データベースです。人事業務では広く使われる言葉ですが、「人事台帳」という名称自体が法律で定められているわけではありません。法令上、企業に作成が義務付けられているのは、労働基準法第107条に基づく「労働者名簿」です。

実務では、労働者名簿の必須項目に加えて、社員番号、所属、役職、雇用形態、資格、評価、研修、異動履歴などをまとめたものを人事台帳と呼ぶことがあります。そのため、法令対応だけを目的とするのか、人事情報の一元管理や人材配置にも活用するのかによって、必要な項目や管理方法は異なります。

特に従業員数が増えると、紙やExcelでは更新漏れ、ファイルの重複、閲覧権限の管理といった問題が起こりやすくなります。本記事では、人事台帳の基本から必要項目、保存期間、Excelでの作り方、システム化の判断基準まで、人事実務の視点で解説します。

人事台帳とは

人事台帳とは、従業員の基本情報や雇用情報、人事履歴などをまとめて管理する帳簿またはデータベースの総称です。従業員を適切に管理するための基礎資料であり、法令対応や労務手続きだけでなく、人員配置や人材育成を検討する際にも活用されます。

人事台帳は従業員情報を管理する帳簿・データベース

人事台帳では、従業員の氏名、住所、生年月日、入社日といった基本情報に加え、所属部署、役職、雇用形態、異動履歴などを管理します。企業によっては、保有資格やスキル、評価履歴、研修受講履歴、緊急連絡先なども人事台帳に記録しています。

人事台帳というと紙の帳簿をイメージするかもしれませんが、管理形式に決まりがあるわけではありません。紙の書類だけでなく、Excelで作成した一覧表や、人事管理システム上の従業員データベースも人事台帳として扱われることがあります。

管理する項目や呼び方は企業によって異なりますが、重要なのは、従業員情報を正確かつ最新の状態に保つことです。住所変更や人事異動、昇進、休職、退職などが発生した際に情報を更新できていないと、社会保険などの手続きに支障が出たり、正確な人員構成を把握できなくなったりする可能性があります。

人事台帳と労働者名簿の違い

「人事台帳」は、法律上で定められた正式名称ではありません。法律によって企業に作成が求められているのは、労働基準法第107条に基づく「労働者名簿」です。

労働者名簿には、氏名、生年月日、住所、履歴、雇入年月日など、法令で定められた項目を記載する必要があります。一方、人事台帳は、労働者名簿に必要な法定項目に加えて、所属、役職、資格、評価、研修履歴など、企業が人事・労務管理に必要とする情報を追加したものとして使われるのが一般的です。

名称が人事台帳や社員台帳となっていても、法令上必要な項目が不足していれば、労働者名簿としての要件を満たしているとは限りません。呼び方ではなく、必要な法定項目が記載され、適切に更新・保存されているかを確認することが重要です。

比較項目労働者名簿人事台帳
法律上の位置付け法定帳簿一般的な呼称
主な目的法令対応、雇用状況の記録人事・労務情報の一元管理
記載内容法令で定められた項目法定項目と企業独自の項目
管理形式紙・電子データ紙・Excel・人事管理システム

社員台帳・社員名簿・従業員名簿との違い

社員台帳、社員名簿、従業員名簿といった名称も、実務上は人事台帳とほぼ同じ意味で使われることがあります。ただし、「社員台帳」という名称だからといって、正社員だけを対象にすればよいわけではありません。

法令上の労働者名簿の対象になるかどうかは、社内での呼称や雇用形態ではなく、労働基準法上の「労働者」に該当するかによって判断します。そのため、原則として正社員だけでなく、契約社員、パート、アルバイトなども対象となります。

企業によっては、社内連絡や組織管理に使う社員名簿と、法令対応のための労働者名簿を別々に管理している場合もあります。情報の重複や更新漏れを防ぐためには、それぞれの目的と管理項目を整理し、可能な範囲で情報を一元管理することが大切です。

人事台帳を作成する目的と必要性

人事台帳を作成する目的は、法令上必要な情報を適切に管理することだけではありません。入退社手続きや社会保険の手続きに必要な情報をすぐに確認できる状態をつくり、さらに蓄積した人事データを人材配置や育成へ活用する役割もあります。人事台帳を単なる従業員名簿としてではなく、人事・労務管理の基盤として整備することが重要です。

労働基準法で定められた労働者名簿を整備する

労働基準法第107条では、使用者は事業場ごとに労働者名簿を作成し、労働者ごとに氏名、生年月日、履歴などの必要事項を記載することが定められています。複数の事業場がある企業では、本社でまとめて作成するだけでなく、それぞれの事業場に対応した管理が必要です。

住所や氏名、業務内容などの記載事項に変更が生じた場合は、遅滞なく訂正し、常に正確な状態を保たなければなりません。労働基準監督署の調査などで確認を求められる可能性もあるため、必要な情報をすぐに表示・提出できるようにしておくことが大切です。

労働者名簿は、賃金台帳、出勤簿とあわせて、一般に「法定三帳簿」と呼ばれます。それぞれ記載事項や保存方法が異なるため、管理ルールを整理しておきましょう。

人事・労務手続きに必要な情報をすぐ確認する

人事台帳を整備すると、入社・退職手続き、社会保険や雇用保険の手続き、住所・氏名変更などに必要な従業員情報をすぐに確認できます。従業員数や雇用形態別の人員集計、組織変更時の所属確認、在籍証明書などの証明書発行にも活用できます。

また、災害や事故などの緊急時には、本人や家族への連絡が必要になる場合があります。緊急連絡先を適切な権限のもとで管理しておけば、必要な対応を迅速に進めやすくなります。ただし、個人情報は利用目的を明確にし、必要な担当者だけが閲覧できる状態にすることが重要です。

人材配置や育成に人事データを活用する

人事台帳で所属や役職だけを管理していても、戦略的な人材配置や育成には十分とはいえません。異動履歴、評価履歴、保有スキル、資格、研修受講履歴、経験業務なども継続的に蓄積することで、人材の特徴や成長過程を把握しやすくなります。

たとえば、部署ごとの年齢構成やスキル保有状況を確認すれば、人員の偏りや不足している能力を可視化できます。管理職や専門職の後任候補、新規事業に必要な配置候補を検討する際にも、客観的な判断材料として活用できます。

人事台帳を法令対応のための名簿で終わらせず、評価やスキルなどの人事データと結び付けることで、タレントマネジメントを進めるための基礎データへ発展させられます。

人事台帳の対象となる従業員

労働者名簿は、社内で「社員」と呼ばれている人だけを対象にするものではありません。原則として、労働基準法上の労働者に該当するかどうかを基準に、作成の対象を判断します。雇用形態や勤務時間だけで対象外と決めつけないよう注意が必要です。

正社員・契約社員・パート・アルバイト

労働者名簿は、正社員、契約社員、パート、アルバイトなど、雇用形態にかかわらず、原則として労働者ごとに作成します。短時間勤務者や一定期間のみ雇用する短期アルバイトであっても、労働者に該当する場合は作成対象になり得ます。

「社員台帳」という名称を使用している企業では、正社員だけを登録すればよいと誤解しやすいため注意が必要です。社内での呼称ではなく、企業との間に雇用関係があり、指揮命令を受けて働いているかなど、実際の労働者性を基準に判断します。

日々雇い入れられる労働者

労働基準法第107条では、日日雇い入れられる者について、労働者名簿の作成対象から除く旨が定められています。ただし、名称だけで日雇い労働者と判断するのではなく、契約期間や雇用の継続性、実際の勤務状況を確認する必要があります。

短期契約を繰り返している場合や、実態として継続的に勤務している場合などは、取り扱いの判断が難しくなることがあります。対象となるか迷う場合は、社会保険労務士や所轄の労働基準監督署へ確認すると安心です。

派遣労働者・役員の取り扱い

派遣労働者の雇用主は派遣元企業であるため、労働者名簿は原則として派遣元企業が作成します。一方、派遣先企業では、労働者名簿とは別に、労働者派遣法に基づく派遣先管理台帳などの作成・管理が必要となる場合があります。

取締役などの役員は、原則として労働基準法上の労働者には該当しないため、労働者名簿の作成対象外です。ただし、役員でありながら従業員としての職務も担う兼務役員など、勤務実態から労働者性が認められる場合は、個別に判断する必要があります。

また、役員が社会保険の被保険者になることと、労働者名簿の作成対象になることは別の問題です。社会保険上の被保険者管理と、労働基準法上の労働者名簿の作成義務を混同せず、それぞれの制度に応じて適切に管理しましょう。

人事台帳・労働者名簿に記載する項目

人事台帳や労働者名簿には、法律で記載が義務付けられている項目と、企業が任意で追加できる項目があります。法定項目を満たすことはもちろん、人事・労務管理や人材活用に役立つ情報を整理して管理することで、日々の業務効率化や人材マネジメントにも活用しやすくなります。

労働者名簿に必要な法定項目

労働基準法第107条および労働基準法施行規則第53条では、労働者名簿に記載すべき事項が定められています。企業は、次のような法定項目を正確に記載し、変更があった場合は遅滞なく更新しなければなりません。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 履歴
  • 性別
  • 住所
  • 従事する業務の種類
  • 雇入年月日
  • 退職年月日および退職の事由
  • 死亡年月日および死亡の原因

なお、常時30人未満の労働者を使用する事業では、「従事する業務の種類」の記載は不要とされています。また、自己都合退職の場合でも退職年月日は記録する必要がありますが、退職事由については会社都合による解雇のような場合と異なり、詳細な理由の記載は求められていません。

退職事由や履歴を記載する際は、事実に基づいて客観的に記録することが重要です。担当者の主観や評価を書き加えることは避け、住所変更や異動、昇進などの情報に変更があった場合は、その都度速やかに更新しましょう。

実務上追加すると便利な任意項目

法律で定められた項目に加え、企業独自の情報を管理すると、人事・労務業務の効率化やタレントマネジメントに役立ちます。任意項目は、目的ごとに整理して管理すると運用しやすくなります。

基本・雇用情報

  • 社員番号
  • 所属部署
  • 役職
  • 雇用形態
  • 勤務地
  • 契約期間
  • 連絡先
  • 緊急連絡先

基本情報をまとめて管理することで、組織変更や異動時の確認、社内連絡、各種証明書の発行などをスムーズに行えます。

労務・手続き情報

  • 社会保険の加入状況
  • 雇用保険の加入状況
  • 扶養情報
  • 休職・復職情報
  • 雇用契約の更新履歴

労務手続きに必要な情報をまとめておくことで、入退社や契約更新、各種保険手続きを効率よく進められます。

人材活用に必要な情報

  • 保有資格
  • スキル
  • 学歴・職歴
  • 評価履歴
  • 研修受講履歴
  • 異動履歴
  • 経験業務
  • キャリア希望

これらの情報を蓄積すると、適材適所の人材配置や後任候補の選定、育成計画の立案などに活用できます。単なる法定帳簿ではなく、人材データベースとして運用することで、人事戦略にも役立てられるでしょう。

マイナンバーや健康情報は分けて管理する

マイナンバーは、税や社会保障など法令で定められた目的に限って利用できる情報です。そのため、人事台帳へ安易に記載することは避け、必要な事務の範囲内で、専用の管理ルールやアクセス権限を設定したうえで管理することが望まれます。

また、健康診断結果や病歴などは、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」に該当する可能性があります。取得目的を明確にし、業務上必要な担当者だけが閲覧できるよう権限を限定することが重要です。

人事台帳には必要以上の個人情報を集めるのではなく、法令や業務上必要な情報だけを適切に管理することが、安全な人事情報管理につながります。

人事台帳の保存期間と管理上のルール

人事台帳や労働者名簿は、作成するだけでなく、法律に基づいて一定期間保存する必要があります。公開時期によって「保存期間は3年」「5年」と説明が異なる記事がありますが、制度改正と経過措置を理解しておくことが重要です。

法律上の保存期間は5年、経過措置では当分の間3年

労働基準法第109条では、労働者名簿などの法定帳簿の保存期間は原則として5年間と定められています。2020年4月の法改正により、それまで3年間だった保存期間が5年間へ延長されました。

一方で、現在は経過措置が設けられており、当分の間は3年間の保存でも差し支えないとされています。そのため、公開時期の異なる記事では「3年」と説明されているものと、「5年」と説明されているものが混在していますが、どちらかが誤りというわけではありません。

実務では、将来的な経過措置の終了や労使トラブルへの備えも考慮し、5年間を基準として保存・管理する企業も増えています。自社の運用ルールを明確に定め、保存期間を統一しておくことが大切です。

保存期間の起算日は退職・解雇・死亡の日

保存期間は、従業員が在職している間ではなく、退職、解雇、または死亡した日を起算日として数えます。在職中の人事台帳は継続して管理し、退職したからといってすぐに削除してはいけません。

また、賃金台帳や出勤簿など、他の労務書類とは保存期間や起算日が異なる場合があります。保存期限を一覧化し、どの書類をいつまで保管するかを管理できる仕組みを整えておくと、誤って廃棄するリスクを減らせます。

電子データで保存する場合の要件

人事台帳は紙だけでなく、電子データで保存することも可能です。ただし、電子保存を行う場合は、法令に沿った管理体制を整える必要があります。

  • 必要事項を画面上で表示できること
  • 必要に応じて印刷できること
  • 労働基準監督官の臨検時などに速やかに提出できること
  • 誤って削除・改ざんされないよう対策されていること
  • 保存期間中、継続して閲覧できること
  • バックアップやアクセス権限などの管理体制を整えていること

クラウド型の人事管理システムを利用する場合でも、システム任せにするのではなく、自社でバックアップや権限設定、運用ルールを整備することが重要です。適切な管理体制を構築することで、法令対応だけでなく、人事情報を安全かつ効率的に活用できるようになります。

人事台帳を紙・Excelで管理するメリットとデメリット

人事台帳は紙やExcelでも管理できますが、従業員数や組織規模が大きくなるにつれて管理負担が増える傾向があります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自社に適した管理方法を選ぶことが重要です。

紙で管理する場合

紙による管理は、以前から多くの企業で採用されてきた方法です。小規模な事業所では現在も利用されることがあります。

メリット

  • 導入準備が少なく、すぐに運用を始められる
  • PCやシステムの操作が不要
  • 小規模な事業所では比較的管理しやすい

デメリット

  • 必要な情報を検索・集計しにくい
  • 更新履歴を追跡しづらい
  • 紛失・破損・持ち出しなどのリスクがある
  • 複数拠点で情報を共有しにくい
  • 保管スペースを確保する必要がある

従業員数が増えると、住所変更や異動のたびに紙の台帳を書き換える必要があり、更新漏れや記載ミスも起こりやすくなります。過去の情報を探すにも時間がかかるため、日常的な人事業務では効率が低下しやすい点に注意が必要です。

Excelで管理する場合

現在では、人事台帳をExcelで管理している企業も少なくありません。導入コストを抑えられ、自由に項目を追加できることが大きなメリットです。

メリット

  • 新たなシステム費用を抑えられる
  • 操作に慣れている担当者が多い
  • 管理項目を自由に追加・編集できる
  • テンプレートを利用して作成できる

デメリット

  • 複数ファイルが作られやすい
  • どれが最新版か分からなくなりやすい
  • 上書きや入力漏れが発生しやすい
  • 変更履歴を十分に管理しにくい
  • 閲覧・編集権限を細かく設定しにくい
  • 人事評価や組織図などへ同じ情報を二重入力しやすい
  • 異動前の所属情報が上書きされ、「先祖返り」や履歴欠損が起こる場合がある

Excelは柔軟性が高い一方で、従業員数や管理項目が増えるほど運用ルールが複雑になります。担当者ごとに入力方法が異なったり、同じ情報を複数のファイルへ転記したりすることで、人事データの整合性が保ちにくくなるケースも少なくありません。

Excel管理が限界を迎えているサイン

次のような状況が増えてきた場合は、Excelによる管理方法を見直すタイミングかもしれません。

  • 従業員ごとに複数のファイルが存在している
  • 人事・労務・給与で同じ情報を何度も入力している
  • 住所変更や異動情報の反映漏れが発生している
  • 最新版のファイルを担当者しか把握していない
  • 組織変更のたびに組織図を手作業で更新している
  • 過去時点の組織や所属履歴を確認できない
  • 評価・資格・スキル情報を横断的に検索できない
  • 退職者の保存期限を適切に管理できていない

これらの課題は、業務量の増加だけでなく、入力ミスや情報の重複、属人化にもつながります。人事台帳を単なる名簿ではなく、人事データとして活用したい場合は、管理方法そのものを見直すことが重要です。

人事台帳を人事管理システムで電子化するメリット

人事台帳を人事管理システムで電子化すると、法令対応だけでなく、人事業務の効率化や人材データの活用まで幅広く対応しやすくなります。紙やExcelでは管理しづらい情報も一元化できるため、人事DXを進める基盤として活用できます。

従業員情報を一元管理できる

人事管理システムでは、人事・労務部門に分散している従業員情報を一つのデータベースへ集約できます。住所や所属、雇用形態などの情報を複数のファイルへ転記する必要がなくなり、常に最新の情報を確認しやすくなります。

また、本社と支店など複数拠点がある企業でも、共通の人事データを参照できるため、情報の食い違いや更新漏れを防ぎやすくなります。

申請内容を人事台帳へ反映しやすい

多くの人事管理システムでは、住所・氏名・扶養情報の変更、休職・復職、資格取得、異動・昇格、入社・退職などの申請を電子化できます。従業員本人が申請し、承認後に人事情報へ反映できる仕組みを備えた製品もあります。

ただし、すべてのシステムで完全に自動反映されるわけではありません。製品によって連携できる範囲や承認後の反映方法は異なるため、導入前に対応機能を確認することが大切です。適切な運用ができれば、転記作業や入力ミスの削減にもつながります。

閲覧・編集権限を管理できる

人事管理システムでは、人事担当者、管理職、一般従業員など、利用者ごとに閲覧・編集権限を設定できる製品が多くあります。部署単位や管理項目単位で権限を細かく設定できるかどうかも、システム選定時の重要なポイントです。

あわせて、操作ログや変更履歴を確認できる機能、退職者アカウントの停止、バックアップ、通信の暗号化などのセキュリティ対策も確認しておきましょう。なお、個人情報保護法では、個人データを扱う事業者に安全管理措置や従業者・委託先への監督が求められています。システムを導入するだけで対応が完了するわけではなく、社内ルールや運用体制を整備することも欠かせません。

人事データを配置・育成・評価に活用できる

人事管理システムの導入は、法定帳簿の管理だけが目的ではありません。組織図と従業員情報を連動させることで、過去の所属や役職、異動履歴を確認しながら、人材配置を検討しやすくなります。

さらに、評価履歴やスキル、資格、経験業務、研修受講履歴などを一元管理すると、部署ごとの人員構成やスキル保有状況を可視化できます。後任候補の選定や育成計画の立案にも活用しやすくなり、タレントマネジメントの基盤づくりにも役立ちます。

人事台帳を管理するシステムの選び方

人事管理システムは製品ごとに機能や対応範囲が異なります。人事台帳を電子化するだけでなく、人事DXやタレントマネジメントまで見据える場合は、自社の運用に必要な機能が備わっているかを比較することが重要です。

法定項目と自社独自の項目を管理できるか

まず確認したいのは、労働者名簿として必要な法定項目を管理できるかという点です。氏名や住所、雇入年月日などの法定項目だけでなく、自社で管理したい従業員情報も柔軟に登録できるシステムを選びましょう。

具体的には、社員番号や所属部署、役職、資格、スキルなどの項目を自由に追加・変更できるか、CSVによる入出力や帳票出力に対応しているかを確認すると安心です。また、退職者情報を保存し、必要に応じて過去の情報を参照できるかも重要な比較ポイントになります。

組織変更や異動履歴を残せるか

人事台帳は現在の所属を管理するだけでは十分ではありません。異動や組織改編を繰り返す企業では、過去の所属や役職の履歴を確認できることが重要です。

システムを選ぶ際は、現在だけでなく過去の異動履歴や組織情報を保持できるか、過去時点の組織図を確認できるかを確認しましょう。また、発令日を基準に組織変更を予約できる機能や、異動シミュレーションに対応している製品であれば、人員配置の検討にも活用しやすくなります。

さらに、複数拠点への配属や兼務、出向など、自社の組織運営に対応できるかも確認しておくことが大切です。

既存システムと連携できるか

人事管理システムは単独で利用するだけでなく、既存システムと連携できるかも重要な選定ポイントです。連携できるシステムが多いほど、二重入力や転記作業を減らしやすくなります。

  • 給与計算システム
  • 勤怠管理システム
  • 労務手続きシステム
  • 人事評価システム
  • 採用管理システム
  • 適性検査サービス

また、CSVによるデータ連携だけでなく、API連携に対応しているかも確認しましょう。API連携はシステム間でデータを自動連携できる場合がありますが、製品によって対応範囲や追加費用が異なります。導入前に、どのデータが連携できるのかを確認することが大切です。

操作性・権限・セキュリティを確認する

人事管理システムは、日常的に利用する担当者や従業員が使いやすいことも重要です。人事担当者が直感的に操作できるか、従業員が住所変更や各種申請を迷わず行えるかなど、操作性を確認しましょう。

あわせて、部署単位や項目単位で閲覧・編集権限を設定できるか、操作ログが残るか、データセンターやバックアップ体制が整っているか、セキュリティ認証を取得しているかなども確認したいポイントです。

導入前には、無料体験やデモを利用し、実際の画面や操作感を確認すると、自社に適したシステムか判断しやすくなります。

初期費用だけでなく運用コストを比較する

システムを比較する際は、初期費用や月額料金だけで判断するのではなく、長期的な運用コストまで含めて検討しましょう。

  • 初期費用
  • 月額料金
  • 最低利用人数
  • オプション料金
  • 導入支援費用
  • データ移行費用
  • 保守・サポート費用
  • 契約期間

また、紙やExcel管理で発生している更新作業や転記作業、人為的ミスへの対応時間まで含めて比較することも重要です。単純な料金の安さだけではなく、業務負担の軽減や情報管理の効率化によって得られる効果も踏まえて、自社に最適なシステムを選びましょう。

人事台帳の一元管理から人事DXにつなげる方法

人事台帳を電子化することは目的ではなく、人事DXを実現するための第一歩です。従業員情報を一元管理し、最新の状態で維持できる仕組みを整えることで、人事業務の効率化だけでなく、人材配置や育成にも活用できる基盤を構築できます。

まずは管理項目と更新フローを整理する

人事DXを進める際は、現在利用している紙の台帳やExcelファイルを棚卸しし、どの情報を管理しているか整理することから始めましょう。法定項目と企業独自の任意項目を分け、それぞれの管理目的を明確にすることが重要です。

あわせて、情報の管理責任者を決め、住所変更や異動など、更新の起点となる申請を整理しましょう。重複入力している項目を洗い出し、保存期間や削除ルールもあらかじめ定めておくことで、運用しやすい管理体制を構築できます。

人事情報と申請・承認を連動させる

人事台帳だけを電子化しても、更新作業が手作業のままであれば、担当者の負担は大きく変わりません。住所変更や扶養変更、休職・復職、異動などの申請を電子化し、承認後に人事情報へ反映できる仕組みを整えることが重要です。

また、誰が、いつ、どの情報を変更したのかを履歴として残せる仕組みがあれば、情報の信頼性も高まります。申請から更新までを一連の流れとして設計することで、人事台帳を常に最新の状態で維持しやすくなります。

蓄積した情報を組織図や人材配置に活用する

人事台帳は、従業員情報を保管するだけでなく、蓄積したデータを経営や人材戦略へ活用することが重要です。組織図と所属、役職、異動履歴を連動させることで、現在だけでなく過去の組織状況も把握しやすくなります。

さらに、評価履歴やスキル、資格、経験業務などを重ねて確認できれば、人員配置や後継者育成の判断材料として活用できます。人事台帳をタレントマネジメントの基盤として活用することで、より戦略的な人材育成や組織づくりにつなげられるでしょう。

人事台帳を人事DXの基盤として活用するなら、情報の一元管理も重要です。

紙やExcelで分散している人事台帳を効率的に管理したい場合は、人事管理システムの導入も選択肢の一つです。サイレコでは、従業員情報の一元管理をはじめ、組織図の可視化、異動履歴の管理、人事評価、スキル・資格情報の管理、申請・承認ワークフローなどを一つのシステムで運用できます。

人事台帳の管理だけでなく、人事DXやタレントマネジメントまで見据えた運用を検討している場合は、資料請求や無料体験を通じて、自社の運用に適しているか確認してみるとよいでしょう。

人事台帳は、従業員の基本情報や雇用情報、人事履歴などを管理する重要な帳簿です。法令上は労働者名簿として必要な項目を適切に記載・保存することが求められますが、実務では所属や役職だけでなく、資格やスキル、評価履歴などもあわせて管理することで、人事・労務業務の効率化や戦略的な人材活用につなげられます。

紙やExcelでも管理は可能ですが、従業員数や拠点数の増加に伴い、更新漏れや二重入力、情報の属人化などの課題が生じやすくなります。そのため、人事台帳を人事管理システムで一元管理し、申請・承認や組織図、人事評価などと連携できる環境を整えることで、人事DXを進めやすくなります。

まずは現在の管理方法や運用ルールを整理し、自社に必要な機能を明確にしたうえで、最適な管理方法を検討しましょう。人事台帳の整備をきっかけに、人事情報を組織運営や人材育成に活用できる仕組みを構築することが、これからの人事業務には重要です。サイレコのような人事管理システムも比較しながら、自社に合った運用方法を選択するとよいでしょう。

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