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人事システムが定着しない原因は?現場で使われるための改善手順

人事システムが定着しない原因は?現場で使われるための改善手順

人事システムが定着しないときは、誰のどの業務が止まっているかを確認し、入力負担や運用ルールから見直すことが出発点です。操作説明を増やしても、二重入力や承認待ち、更新責任の曖昧さが残れば、使い続けにくい状態は変わりません。

本記事では、原因を切り分ける確認項目と改善手順、定着を測る指標を整理し、現在のシステムで改善を続けるか、変更を検討するかの判断につなげます。

人事システムの定着は「必要な業務が回るか」で判断する

本記事では、人事システムの定着を「対象となる従業員や管理者が、必要なタイミングで所定の作業を行い、その情報が後続の業務で使われている状態」と考えます。

すべての機能を使っていることや、全従業員が毎日ログインすることを目標にする必要はありません。住所変更のように必要なときだけ利用する業務と、定期的に処理する業務では、適切な利用頻度が異なります。

ログイン数だけでなく、入力・承認・情報更新の停滞を確認する

まず、利用者の役割ごとに、どの作業で困っているかを確認します。

  • 従業員:入力を始められるか、必要事項を記入して申請できるか
  • 部門管理者:申請に気づき、期限内に承認・差し戻しができるか
  • 人事担当者:承認後の情報を確認し、必要な業務に利用できるか

ログインしていても、申請が途中で止まっていれば業務は完了しません。また、登録内容が古く、人事が毎回メールで確認しているなら、情報管理の運用にも見直す余地があります。

人事の代理入力によって完了件数が増えている場合も、従業員自身が利用できているとは限りません。利用者の操作状況と、人事が補っている作業の両方を把握することが大切です。

定着しない原因は、業務負担・運用ルール・利用環境から切り分ける

「現場が使ってくれない」という状態でも、原因は一つとは限りません。説明不足なのか、入力に時間がかかるのか、承認の仕組みに問題があるのかによって、必要な対応は変わります。

次の表を使い、症状から確認する箇所を絞ってみましょう。原因は仮説として扱い、実際の操作や業務記録で確かめます。

症状原因の候補最初に行う確認・対策
人事が代理入力を続けている入力先が分からない、端末が使えない、項目が多い利用者と一緒に一件の入力を試し、止まる箇所を確認する
Excelとシステムに同じ情報を入力している正式な管理先や二重管理の終了条件が不明情報ごとの管理先と旧運用を終える条件を決める
申請後の処理が進まない承認者・期限・不在時の対応が曖昧承認経路と代理対応の方法を確認する
登録情報が古いままになっている更新するタイミングや責任者が不明変更発生時の更新担当と定期確認の担当を決める
入力されても活用されない情報の用途や参照する業務が不明使用場面を明確にし、用途のない項目を見直す

二重入力や不要な項目が、現場の作業を増やしている

システムへの入力に加え、従来のExcelや紙への記入も求められると、利用者の作業は増えます。まず、一つの情報を誰が何回入力し、どこへ転記しているかを追ってみてください。

入力項目も確認が必要です。「いつか使うかもしれない」という理由で項目を増やすと、記入や確認に時間がかかります。業務上必要な項目、任意でよい項目、収集をやめられる項目を整理しましょう。

ただし、必要な記録や後続業務への影響を確認せずに削除するのは避けます。情報を利用する部署と用途を確かめてから変更することが必要です。

一部の申請だけ紙で処理している場合は、その理由も確認します。システムが対応できないのか、設定や手順が分からないだけなのかを分けると、対策を選びやすくなります。

更新・承認の担当者や、データを使う場面が決まっていない

システムを用意しても、「誰が、何をきっかけに、いつまでに更新するか」が曖昧なままでは、情報は古くなります。

たとえば所属情報なら、異動の決定者、システムへの登録担当者、内容の確認者を区別します。申請業務なら、承認者だけでなく、不在時の対応者や差し戻し後の担当も決めておきましょう。

利用目的の説明も欠かせません。資格情報を集めるなら、研修計画や配置検討など、実際にどの業務で参照するのかを伝えます。従業員には、情報を誰が閲覧するか、誤りがあったときにどう修正するかも案内すると、利用時の疑問を解消しやすくなります。

入力した情報を使う場面が決まっていない場合は、収集項目や更新頻度そのものを見直す必要があります。

端末・権限・操作支援が、利用者の実態に合っていない

人事担当者のパソコンで操作できても、現場で同じように使えるとは限りません。利用できる端末、接続環境、アクセス権限、作業時間を確認しましょう。

デジタル庁も、サービスの改善では操作性だけでなく、利用者の目的やタスク、利用環境を踏まえることを重視しています。行政サービス向けの考え方ですが、社内システムを見直す際にも参考になります。デジタル庁「サービスデザイン」

操作確認は、利用者が普段使う環境で行います。「入力画面を開けない」「選択肢の意味が分からない」「エラーの直し方が分からない」など、止まる箇所を具体的に記録してください。

年齢やITへの慣れだけで原因を決めつけず、操作の難しさと環境上の制約を分けて対処することが重要です。

運用を立て直すには、一つの業務から改善を試す

改善は、対象業務の選定、運用整理、小規模な試行、結果の検証という順で進めます。一度に全機能を見直すより、対象を絞ることで変更の影響や残る問題を確認しやすくなります。

1.対象業務を決め、利用者と止まる箇所を確かめる

最初に、人事の催促や転記が多い業務、処理の遅れが後続業務に影響する業務などを挙げます。その中から、改善の必要性と変更のしやすさを踏まえて一つ選びましょう。

対象を決めたら、従業員・承認者・人事担当者の流れを確認します。問い合わせ記録だけでなく、実際に一件の作業を進めてもらうと、説明しにくい操作上の問題も把握できます。

利用に慣れた人の意見だけで判断せず、途中で止まった人や、紙で提出している人の事情も確認してください。

あわせて、処理件数、期限内に完了した件数、人事の補助作業時間など、改善前の状態を記録します。変更前の記録があると、改善後の結果を比較できます。

2.入力項目・正本・更新担当・承認期限を整理する

次に、情報と作業のルールを決めます。最低限、次の項目を確認しましょう。

  • どの項目を入力必須とするか
  • 正式な情報として扱う管理先はどこか
  • 誰が、何をきっかけに更新するか
  • 誰が、いつまでに確認・承認するか
  • 不在、差し戻し、システム障害などの例外をどう扱うか

「正本」とは、内容を照合するときに基準とする正式な情報です。複数のシステムを利用している場合は、すべてを一つに集める前提ではなく、項目ごとの管理元と受け渡し方法を明確にします。

Excelや紙を併用している場合は、終了日だけでなく終了条件を設定します。通常の処理と例外処理を確認できたこと、必要なデータが引き継がれたこと、問い合わせ先が周知されたことなどを条件にすると判断しやすくなります。

運用の変更と過去データの削除は別に考え、必要な記録は保持します。

3.役割別の操作支援を用意し、小規模に試す

手順書は、利用者が完了させたい作業ごとに作成します。従業員向けの申請手順、管理者向けの承認手順、人事向けの確認手順を分けると、必要な説明を探しやすくなります。

内容は、開始する画面、入力する項目、完了の確認方法、困ったときの連絡先を中心にまとめます。説明会では機能を紹介するだけでなく、実際の業務に沿って操作してもらいましょう。

試行する部署や対象者には、操作に慣れた人だけでなく、利用環境や勤務形態が異なる人も含めます。問い合わせには「誰が一次対応し、どの問題をシステム提供会社に確認するか」を決めておくと、対応の停滞を防ぎやすくなります。

4.次の業務サイクルで結果を確認し、改善範囲を広げる

試行後は、入力できたかだけでなく、承認、情報更新、後続業務まで進んだかを確認します。人事による代理入力や転記が増えていないかも見てください。

定着までの期間を一律に決めることはできません。月次の業務なら次回の処理、随時発生する業務なら対象案件が発生した時点など、実際の利用機会に合わせて確認します。年次業務では、次回実施前の操作確認と本番後の振り返りを組み合わせましょう。

改善内容は、次の形式で記録しておくと引き継ぎにも使えます。

記録項目記入する内容
対象業務・停止箇所どの作業の、どこで止まっていたか
確認した原因操作確認や記録から分かったこと
改善策変更する設定・手順・支援内容
担当者・実施期限誰が、いつまでに対応するか
確認指標・確認日何を、いつ比較するか
結果・次の対応解決した点、残る問題、追加の対策

定着の確認には、完了率・情報の鮮度・手作業の負担を使う

定着の確認では、業務が完了したか、情報が更新されているか、人事の補助作業が減ったかを組み合わせて見ます。

以下は社内で設定する指標の例です。すべて測る必要はなく、改善対象に合うものを選んでください。

指標算出・確認方法見るときの注意点
期限内完了率期限内に完了した対象件数÷期限が到来した対象件数×100誰のどの作業を「完了」とするか統一する
未更新率期限を過ぎても未更新の項目数÷更新が必要な対象項目数×100更新が不要な項目を分母に入れない
承認所要時間申請から最終承認までの時間同種の申請で比較し、差し戻しの有無も確認する
人事の補助作業時間催促・転記・代理入力にかかった時間処理件数も併記し、業務量の違いを考慮する

対象が0件の場合は率を算出せず、「対象なし」と記録します。目標値は、業務の期限や改善前の状態を踏まえて自社で設定してください。

たとえば完了率が上がっても、人事の代理入力時間が増えていれば、現場の利用が進んだとは判断できません。逆に、対象業務が発生していない期間のログイン数が少なくても、それだけで定着不足とはいえません。

数値に加えて、「入力で迷う箇所が残っているか」「必要な情報を確認できるか」といった利用者の声も確認します。集計機能がない場合は、既存の申請記録や簡単な作業記録を使い、測定自体の負担を増やしすぎないようにしましょう。

運用や設定で解決しない要件が残ったら、システム変更を検討する

運用を整理しても必要な業務を処理できない場合は、現在のシステムで対応できる範囲を確認します。問題を次の三つに分けると、相談先と対応方法が明確になります。

問題の種類主な対応
運用上の問題更新担当や承認期限が未設定社内の役割・手順を見直す
設定上の問題権限や承認経路が実際の組織と合っていない管理者や提供会社に設定変更を確認する
製品仕様上の問題必須の処理やデータの受け渡しに対応できない代替運用の負担を評価し、変更を検討する

提供会社へ相談するときは、「使いにくい」という感想だけでなく、実現したい業務、止まる操作、必要なデータ、すでに試した対策を伝えます。

変更を検討する場合は、現行システムの改善費用と継続的な手作業の負担に加え、新システムへの移行、教育、連携の見直し、契約終了に伴う条件も比較します。候補製品では、従業員の入力から人事の確認まで、同じ業務を通して試すことが大切です。

サイレコを検討する場合は、申請・情報管理と支援範囲を確認する

サイレコは、組織人事の情報を蓄積し、経営情報としての活用を支援するクラウド型人事管理システムです。公式サイトでは、申請承認管理・ワークフロー、情報の修正変更、管理項目のカスタマイズ、CSVファイルによる一括登録が案内されています。サイレコ公式機能紹介

また、契約後から本格運用開始まで、導入プランに応じて項目設定・情報登録・運用設計などを支援する体制があります。サイレコ公式サポート

検討時は、自社の申請経路や更新ルールに対応できるか、設定や操作説明をどこまで支援してもらえるかを確認しましょう。支援の範囲や費用は個別条件を確認し、導入後に自社が担う業務も明確にしておく必要があります。

まとめ|止まっている業務を一つ選び、担当者と確認日を決める

人事システムが定着しないときは、入力・承認・情報更新のどこで業務が止まっているかを確かめましょう。二重入力や不要な項目、曖昧な担当分担、利用環境の問題を整理し、一つの業務から改善を試すことが出発点です。

まずは診断表から自社に当てはまる症状を選び、改善担当者、実施期限、結果の確認日を決めてください。完了率だけでなく、人事の補助作業や情報の更新状況も確認しながら、改善範囲を広げていきましょう。

入力・申請の仕組みも見直す場合は、自社に必要な業務とサイレコの機能を照らし合わせてみてください。

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