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人事システムの監査ログとは?記録項目・保存期間・選び方を解説

人事システムの監査ログとは?記録項目・保存期間・選び方を解説

人事システムの監査ログは、従業員情報に対して「誰が・いつ・何をしたか」を後から確認するための記録です。ただし、閲覧・変更・削除・ダウンロードのどこまで残るかは製品によって異なります。

選定では、記録対象だけでなく、保存期間、検索・出力、ログを保護する仕組みまで確認することが重要です。本記事では、自社に必要な監査ログの条件と、提供会社に確認する項目を整理します。

人事システムの監査ログは、情報への操作を後から確認するための記録

監査ログは、システム上の操作や処理を記録し、後から経緯を調べるために使います。人事業務では、従業員情報の誤更新を調べたり、情報の出力や権限変更が適切に行われたかを確認したりする際の手掛かりになります。

例えば、従業員の所属情報が意図せず変更されていた場合、対象の変更操作がログに残っていれば、実行したアカウントや日時を確認できます。

ただし、**ログで確認できるのは、そのシステムが記録している範囲です。**記録対象外の操作や、保存期限を過ぎた操作まで追跡できるとは限りません。また、アカウントの記録だけで、実際に操作した人物や操作の意図を確定できるわけではありません。

アクセスログ・変更履歴との違いは、名称より記録内容で確認する

製品資料では「監査ログ」「アクセスログ」「操作履歴」など、さまざまな名称が使われます。名称だけで対応範囲を判断せず、何が記録されるのかを確認しましょう。

名称主に確認する内容選定時の注意点
監査ログ・操作ログ誰が、いつ、どの対象に、どの操作を行ったか閲覧・出力・権限変更まで記録されるかを確認する
アクセスログ接続やアクセスに関する記録ログイン記録なのか、情報の閲覧まで分かるのかを確認する
変更履歴データの変更内容や過去の状態変更者や操作日時まで残るかを確認する
バックアップデータを復元するための保存データ操作の経緯を調べる機能とは分けて考える

例えば、過去の組織図を表示できても、その組織情報を誰が編集したかまで分かるとは限りません。人事上の履歴と、システム上の操作記録は区別して確認する必要があります。

監査ログの記録対象は、閲覧・変更・出力などの操作別に確認する

人事システムを選ぶ際は、「監査ログがありますか」という質問に加えて、対象となる操作と記録項目を具体的に確認します。以下は、製品の共通仕様ではなく、自社要件を整理するための確認項目です。

閲覧・変更・削除・出力・権限変更を分けて確認する

データの変更が記録されても、閲覧やダウンロードは記録されない場合があります。自社で追跡したい操作を、次のように分けて整理しましょう。

確認する操作提供会社への質問例
ログイン成功・失敗の両方が残りますか
情報の閲覧どの従業員の情報を閲覧したか分かりますか。画面・項目単位の違いはありますか
登録・変更・削除実行者と対象が分かりますか。変更前後の値は残りますか
ダウンロード・一括出力実行者、出力対象、件数をどこまで確認できますか
権限・アカウントの変更権限を付与・変更・削除した操作は記録されますか
一括更新・外部連携ファイル取り込みやAPIによる処理も記録されますか

特に、一括出力や権限変更は、通常の情報更新とは別に確認しておきたい操作です。画面から行う変更と、外部システムとの連携による変更で、記録される内容が異ならないかも確かめます。

実行者・日時・対象・操作・結果が読み取れるか確認する

ログが残っていても、対象や操作内容を読み取れなければ、調査に使いにくくなります。サンプルログを見ながら、次の項目を確認してください。

  • 実行者:操作したアカウントを識別できるか
  • 日時:操作時刻とタイムゾーンが分かるか
  • 対象:従業員、データ、ファイルなどを特定できるか
  • 操作:閲覧・変更・削除・出力などを区別できるか
  • 結果:操作や処理の成功・失敗が分かるか

変更前後の値も、必要に応じた確認項目です。ただし、給与や健康情報などの内容をそのまま残すと、ログにも機密情報が蓄積されます。

必要な情報を確認できることと、情報を過剰に残さないことの両方を考えましょう。IPAの技術資料でも、分析に必須でない重要情報はログに記録しない考え方が示されています。IPA「ログ記録による証跡確保とログ自体の漏えい対策」

保存期間・出力・保護の条件まで確認して選ぶ

監査ログは、記録されるだけでなく、必要な時に取り出して確認できることが重要です。保存・取得・保護の条件を、自社の運用と照合しましょう。

保存期間は、自社の必要期間と製品の保持条件を照合する

人事システムの監査ログについて、一律に「何年残せば十分」とは判断できません。IPAの内部不正防止ガイドラインでは、ログ・証跡の保存期間をリスクとコストのバランスで決める考え方が示されています。IPA「組織における内部不正防止ガイドライン」第5版

自社の必要期間は、次の順に整理すると判断しやすくなります。

  1. 適用される法令・業界指針・契約上の条件を確認する
  2. 定期監査や事後調査で、どこまで遡る必要があるかを整理する
  3. 保存に必要な費用と、ログに含まれる情報の管理負担を見積もる
  4. 保存期間と、期限到来時の削除・例外的な保全の扱いを決める

労働者名簿などの法定帳簿の保存期間を、そのまま監査ログに当てはめないことも大切です。保存対象となる記録が異なるため、個別に確認します。

製品側には、画面で閲覧できる期間、出力できる期間、提供会社が保有する期間を分けて質問してください。契約終了後に取得できるか、終了前に何を出力すべきかも確認しておきましょう。

必要なログを検索・出力でき、追加費用や制限がないか確認する

提供会社がログを保管していても、利用企業が管理画面から確認できるとは限りません。調査時の使いやすさを判断するには、取得方法まで確かめる必要があります。

例えば、「対象の従業員と期間を指定して、変更操作だけを抽出できますか」と質問すると、実務に沿った回答を得やすくなります。

出力については、ファイル形式、件数や期間の上限、提供会社への依頼の要否、取得までの日数を確認します。保存期間の延長やログの抽出に追加費用がかかる場合は、通常料金と分けて把握してください。

なお、製品資料にある「CSV出力」が、従業員情報の出力を指している可能性もあります。人事データの出力と、監査ログの出力は別々に確認しましょう。

ログの閲覧権限と改ざん・削除を防ぐ仕組みを確認する

ログ自体の信頼性を保つには、誰が閲覧・取得・削除できるかを確認する必要があります。IPAのガイドラインでも、ログ・証跡の改ざんや削除の防止、アクセスの制限が示されています。IPA「組織における内部不正防止ガイドライン」第5版

選定時には、通常の人事情報を編集する権限と、ログを管理する権限を分けられるか質問しましょう。ログ取得を停止できるのか、停止や設定変更の記録が残るのかも確認項目です。

また、出力後のファイルを共有フォルダーに置く場合は、保存先の閲覧権限や削除ルールも必要です。システム内の保護だけでなく、取り出した後の管理まで決めておきます。

自社要件の整理からデモ確認までを4ステップで進める

確認項目が多い場合も、最初からすべてを必須にする必要はありません。業務上の目的に合わせて優先度を付け、次の順で確認しましょう。

1.追跡したい操作と必要な記録を整理する

まず、「何が起きた時に、何を確認したいか」を言葉にします。

例えば、従業員情報の誤更新を調べたい場合は、更新したアカウント、日時、対象項目が確認の中心になります。一括出力の適切性を確認したい場合は、出力者や対象範囲が重要です。

目的ごとに必要な記録を整理すると、必須条件と、あると便利な条件を分けられます。人事担当者だけで決めず、情報システム部門や監査担当者にも、必要な記録と取得条件を確認しましょう。

2.確認担当者・点検頻度・異常時の連絡先を決める

次に、取得したログを誰が確認するかを決めます。日常の点検担当者、問題が見つかった際の判断者、提供会社への問い合わせ担当者を整理してください。

点検頻度は、情報の重要度や操作の種類に合わせて設定します。年1回の監査で使う記録と、日常的に確認したい操作を分けると、必要な機能も明確になります。

ログの取得目的や取扱いについて、従業員への周知も検討しましょう。IPAのガイドラインは、ログの収集に際してプライバシー等に配慮することや、記録している事実の通知を推奨しています。IPA「組織における内部不正防止ガイドライン」第5版

3.提供会社の回答とサンプルログを照合する

提供会社への確認には、共通の表を使うと比較しやすくなります。次の表に自社要件を記入し、回答と根拠資料を残しましょう。

確認項目自社要件の記入欄提供会社に確認する内容
記録対象必要な操作:__対応する操作と対象外の操作
記録項目必要な項目:__実行者・日時・対象・操作・結果など
保存期間必要な期間:__保持期間、延長可否、契約終了時の扱い
検索・出力検索条件・形式:__利用者による取得可否、件数制限、依頼手順
ログの保護必要な管理条件:__閲覧・編集・削除権限、設定変更の扱い
費用・提供条件予算・条件:__標準/オプション、抽出・延長の追加費用

各項目に「必須・任意」「対応・非対応・要確認」を付け、資料名と回答日も記録します。不明な項目を対応済みとして扱わず、確認事項として残すことが重要です。

4.テストデータで操作し、必要な記録を取り出せるか確かめる

デモや検証環境では、説明を聞くだけでなく、次の流れを実際に確認します。

  1. 実在する従業員の情報を含まないテストデータを用意する
  2. 変更・出力・権限変更など、必要な操作を実施する
  3. 対象や期間を指定してログを検索する
  4. ログを出力し、想定した項目が記録されているか照合する

その際は、記録が反映されるまでの時間や、担当者の権限で閲覧できる範囲も確かめましょう。データの変更結果が画面に表示されることと、変更操作が監査ログに残ることは分けて確認します。

人事システムの監査ログに関するよくある質問

監査ログの取得は、すべての企業に法律で義務付けられている?

すべての企業に、同じ名称・仕様の監査ログ機能の導入が一律に義務付けられているとはいえません。

個人情報保護法第23条は、個人情報取扱事業者に対して、取り扱う個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を求めています。個人情報保護委員会の通則編では、取扱いの検証に用いる手法として、システムログ等による記録の整備が例示されています。個人情報保護委員会「通則編」3-4-2・10-3

安全管理措置の義務と、具体的な機能・運用方法は区別して判断してください。業種、取扱情報、契約などによって必要な対応が異なる場合は、法務担当者や弁護士、個人情報保護委員会の相談窓口に確認しましょう。

監査ログがあれば、不正操作や情報漏えいを防げる?

監査ログを取得するだけで、不正操作や情報漏えいを防げるわけではありません。ログは、操作の経緯を調べたり、不審な動きを確認したりするための情報です。

アクセス権限の設定、適切な認証、定期的な点検と組み合わせて運用しましょう。また、記録に不審な操作があっても、業務上の理由や他の情報を確認せずに不正と断定しないことが大切です。

まとめ|必要な操作が残り、取り出せることを確認して選ぶ

人事システムの監査ログは、「機能があるか」だけでなく、必要な操作が記録され、必要な期間保存され、担当者が取り出せるかまで確認して選びましょう。

まずは追跡したい操作を整理し、記録項目・保存期間・出力方法・保護の条件を要件表にまとめます。そのうえで、提供会社の回答とデモでの確認結果を照合すると、自社の運用に合うか判断しやすくなります。

サイレコの公式ページでは、「アクセスログ管理」と「閲覧・編集権限の設定機能」が紹介されています。記録対象・保存期間・出力方法などの詳細は、公開情報だけでは確認できないため、自社要件に合う対応範囲を個別に確認してください。サイレコ公式サービス紹介

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